この記事では、『源氏物語』の年表を
光源氏と薫に分けて紹介しています。
年齢および季節ごとに主要な出来事を記載し、
該当の巻名と、官位もわかるようにしてあります。
・『源氏物語』年表(光源氏・薫)
・光源氏が出会った女性の順番
・光源氏と主要な女性の年齢差一覧
源氏物語の年表<光源氏>
※季節は陰暦です。
春:1月~3月
夏:4月~6月
秋:7月~9月
冬:10月~12月
光源氏の年齢 | 季節 | 出来事 | 巻名 | 官位 |
---|---|---|---|---|
1 | 桐壺帝と桐壺の更衣が出会い、光源氏が誕生。 | 桐壺 | ||
3 | 夏~秋 | 桐壺の更衣死去。 光る君、宮中を退出。 帝の勅使、更衣の母を弔問。 数か月後、光る君、宮中に戻る。 | ||
4 | 春 | 第一皇子(朱雀帝)立太子。 弘徽殿女御、安心する。 | ||
6 | 桐壺の更衣の母、死去。 光る君、深く悲しむ。 | |||
7 | 光る君、読書始めをする。 | |||
7~11 | 桐壺帝、高麗人の人相見の言葉に従い、 光る君を臣籍降下させ、源氏姓を与える。 藤壺の宮、入内。 源氏、藤壺に恋慕する。 | |||
12 | 源氏、元服。 葵の上と結婚するが親しめず、藤壺の宮を恋慕し続ける。 母の実家、二条院を改装して私邸とする。 | |||
17 | 夏 | <5月>源氏、頭中将らと 妻選びの難しさについて語り合う。 (雨夜の品定め) 源氏、方違え先の紀伊守邸にて空蝉と出会う。 | 帚木 | 参議兼近衛中将 |
源氏、再び空蝉を訪ねるが、薄衣を一枚残して逃げられる。 軒端の荻と一夜を過ごす。 | 空蝉 | |||
<6月>源氏、六条御息所の邸に通い出す。 乳母の見舞いに行った先で夕顔と出会う。 | 夕顔 | |||
秋 | 源氏、六条御息所の邸からの朝帰り。 <8月>夕顔、某院にて怪死。葬送が行われる。 源氏、病に臥せる。 <9月>源氏、忌み明けと同時に病気回復。 | |||
冬 | <10月>空蝉、夫について伊予に下る。 | |||
18 | 春 | <正月>源氏、末摘花の琴の音を聞く。 | 末摘花 | |
<3月末>源氏、北山で若紫と出会う。 | 若紫 | |||
夏 | <4月>源氏、藤壺の宮と密通し、懐妊させる。 | |||
<8月>源氏、末摘花と逢瀬を果たす。 | 末摘花 | |||
秋 | 桐壺帝、藤壺の御前にて試楽が行われる。 <10月>朱雀院への行幸。 | 紅葉賀 | ||
源氏、若紫を盗み出し二条院で養女として育てる。 | 若紫 | |||
19 | 春 | <正月>源氏、末摘花の醜い容貌を見る。 | 末摘花 | |
<2月>藤壺、皇子(冷泉帝)を出産。 | 紅葉賀 | |||
夏 | 源氏、源典侍をめぐり頭中将と張り合う。 | |||
秋 | <7月>藤壺、中宮に立后。 | |||
20 | 春 | <2月>桜花の宴にて朧月夜と出逢う。 <3月>藤花の宴にて朧月夜と再会。 | 花宴 | |
22 | 春 | 桐壺帝の譲位、朱雀帝即位。 | 葵 | 近衛大将 |
夏 | <4月>葵の上と六条御息所の車争い勃発。 源氏と紫の上、賀茂祭を見物。 | |||
秋 | <8月>葵の上、夕霧を出産後に急死。 | |||
冬 | <10月>源氏、紫の上と結婚する。 | |||
23 | 秋 | <9月>源氏、野の宮訪問し六条御息所との別れを惜しむ。 六条御息所、娘斎宮とともに伊勢へ下向。 | 賢木 | |
冬 | <11月>桐壺院、崩御。 | |||
24 | 春 | <2月>朧月夜、尚侍になる。 源氏、再び藤壺の宮に迫るが失敗。 | ||
冬 | <11月>藤壺の宮、出家。 | |||
25 | 夏 | <5月>源氏と朧月夜の関係が右大臣に知られる。 右大臣と弘徽殿大后、源氏追放を画策。 | ||
<5月>源氏、花散里の邸を訪問。 | 花散里 | |||
26 | 春 | <3月>源氏、政治的危機を避けるために須磨に退去。 | 須磨 | 無位無官 |
秋 | <7月>朧月夜、再び参内を許可される。 | |||
27 | 春 | <2月>頭中将、須磨を訪れ、源氏と語り合う。 <3月>上巳の祓の日に須磨を嵐が襲う。 | ||
この頃、末摘花の生活、困窮する。 | 蓬生 | |||
春 | <3月>嵐が治まる。 故桐壺院が源氏の夢枕に立つ。 源氏、夢に従い、明石の入道のもとに移る。(13日) 都に天変地異が襲う。(13日) 故桐壺院が朱雀帝の夢枕に立つ。 朱雀帝は眼病を患い、弘徽殿大后も病にかかる。 | 明石 | ||
秋 | <8月>源氏と明石の君、結ばれる。 | |||
28 | 夏 | <6月>明石の君、懐妊。 | ||
秋 | <7月>帰京の宣旨が下る。 <8月>源氏、権大納言となり政界復帰。 | 権大納言 | ||
冬 | <10月>故桐壺院の追善法華八講。 | 澪標 | ||
<10月>末摘花の兄・禅師、法華八講に参加。 末摘花の侍従、邸を去る。 <11月>末摘花の邸、雪に埋もれる。 | 蓬生 | |||
29 | 春 | <2月>朱雀帝譲位、冷泉帝即位。 <3月>明石の姫君、誕生。 | 澪標 | 内大臣 |
夏 | <4月>源氏、末摘花の邸を訪問。 | 蓬生 | ||
<5月>源氏、花散里の邸を訪問。 | 澪標 | |||
秋 | 源氏と明石の君、住吉参詣ですれ違う。 | |||
<9月末>源氏と空蝉、逢坂の関で再会する。 | 関屋 | |||
冬 | 六条御息所、斎宮を源氏に託し死去。 | 澪標 | ||
31 | 春 | 六条御息所の娘、冷泉帝のもとに入内。 (梅壺女御) <3月>藤壺の宮の御前にて物語絵合せが開催。 <3月>冷泉帝の御前にて絵合せが開催。 源氏、出家を願い、嵯峨野に御堂を建立。 | 絵合 | |
秋 | 二条東院、完成。花散里が移る。 明石の君、上京し、大堰の山荘に住む。 源氏、明石の君と再会。 紫の上に明石の姫君を養女にすることを提案。 | 松風 | ||
冬 | <12月>明石の姫君、二条院に移り紫の上の養女となる。 | 薄雲 | ||
32 | 春 | <3月>藤壺の宮崩御。 冷泉帝、夜居の僧から出生の秘密を知らされる。 | ||
秋 | 冷泉帝、源氏に譲位の意向を示すが源氏は拒否。 源氏、従一位に昇進して牛車を許される。 梅壺女御、二条院に里下がり。 源氏、春秋優越論を語りつつ女御に恋心を仄めかす。 | |||
<9月>源氏、朝顔の君の邸を訪問し、 求愛するが拒絶される。 | 朝顔 | |||
冬 | 源氏、嫉妬した紫の上を慰めるため 童女に雪まろばしをさせる。 源氏、過去の女性を語った後に藤壺の夢を見る。 | |||
33 | 春 | <3月>藤壺の宮一周忌。 源氏、朝顔の君を諦める。 | 少女 | |
夏 | 夕霧、元服し大学寮に入学する。 | |||
秋 | 斎宮の女御、冷泉帝の中宮となる。 光源氏は太政大臣に、頭中将が内大臣に昇進。 夕霧と雲居の雁、引き離される。 | 太政大臣 | ||
冬 | <11月>夕霧、五節舞姫を恋慕する。 | |||
34 | 春 | <2月>朱雀院に行幸。 源氏、弘徽殿大后に面会する。 夕霧、漢詩の成績が良く、進士となる。 | ||
秋 | 夕霧、侍従に昇進する。 | |||
35 | 春 | 筑紫で育った玉鬘、大夫の監から求婚される。 | 玉鬘 | |
秋 | <8月>源氏、六条院を完成させる。 彼岸の頃、女君の引っ越しが行われる。 | 少女 | ||
玉鬘、上京して初瀬詣で右近と再会。 源氏、玉鬘を養女として六条院に迎える。 | 玉鬘 | |||
冬 | 源氏、女君たちの新年の衣装を配る。 | |||
36 | 春 | 新春、源氏、女君たちを訪問して回る。 六条院に男踏歌の一行が訪れ、女君たちは観覧する。 | 初音 | |
<3月>紫の上の住む春の町にて船楽が催される。 翌日、秋の町で秋好中宮による 季の御読経が催される。 | 胡蝶 | |||
夏 | <4月>玉鬘に多くの貴公子から恋文が寄せられる。 源氏、玉鬘に恋心を仄めかす。 | |||
<5月>蛍兵部卿宮、源氏の放った蛍の光に 照らされた玉鬘の美しい姿を見る。 六条院夏の町馬場殿にて騎射が催される。 源氏、玉鬘に物語について論じる。 | 蛍 | |||
<盛夏>源氏、玉鬘への抑えがたい恋心に苦悶する。 内大臣、雲居雁の結婚について悩む。 内大臣、近江の君の処遇について悩む。 | 常夏 | |||
秋 | <7月>源氏と玉鬘、一つの琴を枕に添い寝。 和歌を詠み合い、語らう。 | 篝火 | ||
<8月>野分襲来。 夕霧、紫の上と玉鬘の姿を垣間見る。 | 野分 | |||
冬 | <12月>大原野への行幸にて、玉鬘、冷泉帝や実父の内大臣の姿を見る。 | 行幸 | ||
37 | 春 | <2月>玉鬘の着裳の儀。 玉鬘と内大臣、父子の再会を果たす。 | ||
秋 | <8月>夕霧、玉鬘に言い寄る。 <9月>出仕前の玉鬘に多くの恋文が寄せられる。 | 藤袴 | ||
冬 | <10月>玉鬘、髭黒大将と結婚する。 髭黒の北の方、娘の真木柱を連れて実家に帰る。 | 真木柱 | ||
38 | 春 | <1月>玉鬘、尚侍として参内するが、 その夜に髭黒邸に退出する。 | ||
冬 | <11月>玉鬘、男子を出産する。 | |||
39 | 春 | <2月>六条院で薫物合わせが催される。 翌日、明石の姫君の着裳の儀が行われる。 | 梅枝 | |
夏 | <4月>藤花の宴にて夕霧と雲居の雁の結婚が許される。 明石の姫君、東宮に入内。 | 藤裏葉 | ||
秋 | 源氏、准太上天皇の待遇を得る。 | 准太上天皇 | ||
冬 | 冷泉帝、六条院に行幸する。 | |||
<12月>女三の宮、着裳の儀。 源氏、女三の宮との結婚を承諾する。 | 若菜上 | |||
40 | 春 | <1月>玉鬘、源氏の四十の賀を祝う。 <2月>女三の宮、六条院に降嫁する。 源氏、朧月夜と再会し一夜を過ごす。 | ||
夏 | 明石の女御、懐妊。 | |||
冬 | <10月>紫の上、嵯峨の御堂で四十の賀の薬師仏供養。 <12月>秋好中宮、夕霧による四十の賀の饗宴。 | |||
41 | 春 | <3月>明石の女御、男皇子を出産。 明石の入道、庵を出て山奥に入る。 柏木、六条院の蹴鞠の際に女三の宮の姿を見る。 | ||
46 | 冷泉帝、退位。 明石の女御の第一皇子、東宮となる。 | 若菜下 | ||
冬 | <10月>源氏、宿願成就のお礼参りで住吉参詣。 源氏、朱雀院の五十の賀の準備をする。 | |||
47 | 春 | <1月>六条院で女楽が催される。 女楽の夜、紫の上が発病。 療養のため二条院に移る。 | ||
夏 | <4月>女三の宮と柏木、密通する。 柏木、妻の落葉の宮に対して冷淡に接する。 紫の上、一時絶命するが、蘇生する。 <5月>女三の宮、懐妊する。 <6月>源氏、女三の宮と柏木の密通を知る。 | |||
冬 | 落葉の宮、父朱雀院の五十の賀を祝う。 <12月>御賀の試楽当日、柏木、源氏に睨まれ病に臥す。 | |||
48 | 春 | <1月>女三の宮、男子(薫)を出産する。 女三の宮、出家する。 <2月>柏木、死去。 <3月>薫の五十日の祝いが催される。 | 柏木 | |
49 | 春 | <2月>源氏、柏木の一周忌の法要を営む。 薫、朱雀院より贈られた竹の子をかじる。 | 横笛 | |
秋 | 夕霧、柏木遺愛の笛を一条御息所から贈られ、源氏に託す。 夕霧、落葉の宮に心惹かれる。 | |||
50 | 夏 | 女三の宮の持仏開眼供養が行われる。 | 鈴虫 | |
秋 | 源氏、女三の宮の前栽に鈴虫などを放つ。 <8月>六条院で鈴虫の宴が催される。 源氏らは場所を移動して冷泉院で月の宴を楽しむ。 | |||
<8月>夕霧、落葉の宮に迫るが未遂に終わる。 一条御息所、娘・落葉の宮と夕霧の関係に悩みつつ死去。 | 夕霧 | |||
冬 | 夕霧、落葉の宮を一条宮にひきとり結婚。 雲居雁、怒って実家に帰る。 | |||
51 | 春 | <3月>紫の上、二条院で法華経千部を供養する。 | 御法 | |
秋 | <8月>紫の上、源氏と明石の中宮に看取られつつ死去。 源氏、紫の上の葬儀をとり行う。 | |||
52 | 春 | <1月>源氏、紫の上のいない春を迎える。 面会謝絶し、紫の上を追憶する日々を送る。 <3月>源氏、女三の宮、明石の君と語る。 | 幻 | |
夏 | <4月>源氏、花散里と和歌を詠み交わす。 <5月>夕霧、源氏をもとを訪問する。 | |||
秋 | <8月>六条院にて紫の上一周忌法要が行われる。 | |||
冬 | <11月>源氏、出家を決意する。 <12月>御仏名にて、紫の上薨去以降、初めて人前に姿を現す。 | |||
巻名のみ:光源氏の死を暗示する。 | 雲隠 |
光源氏の年表において、注目すべきは、
空蝉、夕顔、六条御息所との恋
および若紫との出会い、藤壺との密通が
わずか2年の間に行われていることです。
光源氏は、17歳~18歳の頃に最も女性関係が活発でした。
また、光源氏が末摘花と再会する「蓬生」の巻は
「明石」「澪標」と時期が重複していることにも
注意が必要です。
『源氏物語』の巻名一覧と、
巻ごとの簡単なあらすじは
こちらの記事で紹介しています。
登場人物の解説と相関図は、
こちらの記事に記載しました。
源氏物語の年表<薫>
薫の年齢 | 季節 | 出来事 | 巻名 | 官位 |
---|---|---|---|---|
14 | 春 | <2月>薫、侍従になる。 | 匂宮 | 侍従 |
秋 | 薫、右近衛府の中将に昇進する。 | 右近衛府の中将 | ||
15 | 春 | <1月>薫、玉鬘邸に年賀に参上する。 <3月>玉鬘の娘姉妹、桜の所有権をかけて碁を打つ。 垣間見した蔵人少将、大君に見惚れる。 | 竹河 | 侍従 |
夏 | <4月>玉鬘の娘・大君、冷泉院の後宮に入る。 | |||
秋 | <7月>玉鬘の、娘・大君、懐妊する。 | |||
16 | 春 | <1月>薫、冷泉院を訪問し、大君と合奏する。 | ||
夏 | <4月>大君、女宮を出産する。 中君、尚侍として出仕する。 | |||
19 | 三位宰相と中将を兼任する。 | 匂宮 | 宰相中将 | |
20 | 春 | <1月>夕霧、六条院で賭弓の還饗を催す。 薫と匂宮、出席。 | ||
21 | 玉鬘の娘・大君、冷泉院の男皇子を出産。 | 竹河 | ||
22 | 秋 | <9月>薫、宇治の姉妹(大君・中の君)を垣間見る。 | 橋姫 | |
冬 | <10月>薫、宇治の姉妹の後見を引き受ける。 薫、実の父が柏木であると知る。 | |||
23 | 春 | <2月>薫と匂宮、宇治を訪問する。 匂宮、中君と和歌を詠み交わす。 | 椎本 | |
秋 | <7月>薫、中納言に昇進する。 薫、久しぶりに宇治を訪問し、八の宮と語る。 <8月>八の宮、山寺で死去。 | 中納言 | ||
冬 | <12月>薫、大君に恋心を明かすが、取り合ってもらえない。 | |||
24 | 春 | 匂宮、中君への恋を募らせ、 夕霧の六の君との縁談に気が進まない。 | ||
匂宮、真木柱の娘・宮の御方に興味を持つ。 | 紅梅 | |||
夏 | 薫、喪服姿の宇治の大君・中君を垣間見て心惹かれる。 | 椎本 | ||
秋 | <8月>宇治の姉妹、八の宮一周忌。 薫、大君の寝所に迫るが何事もなく夜を明かす。 後日、匂宮は中君の寝所に忍び入り、結ばれる。 薫、再び大君に迫るが拒絶されたまま朝を迎える。 <9月>匂宮、明石中宮に反対され、宇治に通いづらくなる。 | 総角 | ||
冬 | <10月>匂宮、紅葉狩りで宇治を訪問するが中君に会えず。 帝、匂宮の遠出をやめさせるために 六の君との結婚を取り決める。 <11月>大君、心労が募り、食事を拒否して死去。 <12月>薫、宇治にこもり大君を追憶する。 匂宮、中君を京の二条院に引き取ることを決意する。 | |||
25 | 春 | <2月>中君、京の二条院に引っ越しする。 夕霧、六の君との結婚を薫に打診するが断られる。 <3月>薫、二条院の中君を訪問し語らう。 匂宮、薫の下心を疑う。 | 早蕨 | |
夏 | 薫、帝より女二の宮の降嫁を打診され、承諾する。 夕霧、匂宮と六の君との結婚を決める。 <5月>中君、匂宮の子を懐妊する。 | 宿木 | ||
秋 | <8月>夕霧、六の君と結婚する。 薫、傷心の中君に迫るが、妊娠中の姿を見て自制する。 <9月>薫、中君から浮舟の話を聞く。 | |||
26 | 春 | <2月>薫、大納言兼右大将に昇進する。 中君、男子を出産する。 女二の宮、薫に降嫁する。 | 大納言兼右大将 | |
夏 | <4月>女二の宮の住む藤壺で藤花の宴が催される。 翌日、女二の宮、薫の自邸・三条宮に移る。 薫、宇治で浮舟を見る。 | |||
秋 | <8月>浮舟、中君のもとに身を寄せる。 匂宮、浮舟を見つけ、言い寄る。 母、浮舟を三条の隠れ家に移す。 <9月>薫、浮舟と一夜を過ごす。 翌日、浮舟を宇治に隠す。 | 東屋 | ||
27 | 春 | <1月>匂宮、浮舟が宇治にいることを知る。 匂宮、浮舟の寝所に忍び込み、結ばれる。 浮舟、匂宮に心惹かれる。 <2月>薫、久しぶりに宇治を訪問し浮舟に対面する。 匂宮、浮舟を訪問し、仲睦まじく過ごす。 <3月>薫、浮舟を京に移す日程を決める。 浮舟、恋の板挟みに苦しみ、入水を決意。 匂宮、宇治に赴くが浮舟に会えずに帰京する。 | 浮舟 | |
<3月>浮舟失踪。 | 蜻蛉 | |||
<3月>宇治川に入水した浮舟、 横川の僧都に助けけられる。 | 手習 | |||
<3月>女房ら、浮舟の葬儀を済ませる。 薫、匂宮、浮舟が死んだと思い、深く悲しむ。 | 蜻蛉 | |||
夏 | <5月>薫、浮舟四十九日の法要を営む。 | |||
<6月>浮舟、意識を回復する。 浮舟、頭頂部の髪を削ぎ、僧都から五戒を受ける。 | 手習 | |||
<6月>明石中宮主催の法華八講 薫、女一の宮を見て美しさに驚く。 | 蜻蛉 | |||
秋 | <7月>薫、宇治の三姉妹との運命を、 蜻蛉に喩えて和歌に詠む。 | |||
<7月>尼君の亡き娘の婿・中将、浮舟を垣間見る。 <8月>浮舟、中将の求愛を拒絶する。 <9月>中将来訪、浮舟、奥の部屋に逃げ込む。 浮舟、横川の僧都に懇願して出家する。 | 手習 | |||
28 | 春 | <1月>薫、明石の中宮に仕える小宰相の君から 浮舟生存の知らせを受ける。 | ||
夏 | 薫、横川の僧都を訪ね浮舟のいる小野への案内を依頼する。 翌日、浮舟の異母弟・小君が薫の使者として 小野を訪問するが、浮舟は対面を拒否し、文の返事も書かない。 | 夢浮橋 |
「匂宮」の巻に「薫は14歳2月に侍従になり、
秋には右近衛府の中将なった」と記載があるが、
「竹河」の巻では侍従のままであり、
官位に矛盾が見られます。
「紅梅」の巻は、
「匂宮」の巻の次に位置しますが、
年表としては薫24歳頃の物語となり、
「椎本」の巻と時期が重複しています。
また、「蜻蛉」の巻と「手習」の巻も
時期的に重複しています。
「蜻蛉」は薫や匂宮を主体として語られており、
「手習」は失踪した浮舟を主体に語られています。
\薫がどんな人だったか詳しく解説/
『源氏物語』の巻名一覧と、
巻ごとの簡単なあらすじは
こちらの記事で紹介しています。
登場人物の解説と相関図は、
こちらの記事に記載しました。
光源氏が出会った女性の順番
光源氏が出会った女性の時間的な順番は、
早い順で下記の通りです。
- 藤壺の宮
- 葵の上
- (花散里?)
- (筑紫の五節?)
- (朝顔?)
- 空蝉
- 六条御息所
- 夕顔
- 末摘花
- 紫の上
- 朧月夜
- 明石の君
- 玉鬘
- 女三の宮
花散里・筑紫の五節・朝顔の3人については、
物語中でなれそめが語られていません。
しかし、「桐壺」と「帚木」の間には、
「輝く日の宮」という失われた巻があり、
上記3人の女性との出会いが語られている
のではないかという説があります。
そのため、ここでは仮に3人を
葵の上と空蝉との間に出会ったとして位置づけました。
また、「帚木」巻には
光源氏が朝顔の姫君にアプローチをしたと
書かれており、朝顔は空蝉より前に
出会っていたことになります。
光源氏と女性たちの年齢差一覧
女君 | 源氏との年齢差 | 源氏より年上or年下 | 出会った際の源氏の年齢 |
---|---|---|---|
藤壺の宮 | 5歳差 | 年上 | 10歳前後 |
葵の上 | 4歳差 | 年上 | 12歳 |
花散里 | 不明 | 不明 | 不明 |
筑紫の五節 | 不明 | 不明 | 不明 |
朝顔の君 | 不明 | 不明 | 不明 |
空蝉 | 不明 | 不明 | 17歳 |
六条御息所 | 7歳差 | 年上 | 17歳 |
夕顔 | 2歳差 | 年上 | 17歳 |
末摘花 | 不明 | 不明 | 18歳 |
紫の上 | 8歳差 | 年下 | 18歳 |
朧月夜 | 不明 | 不明 | 20歳 |
明石の君 | 9歳差 | 年下 | 27歳 |
玉鬘 | 14歳差 | 年下 | 35歳 |
女三の宮 | 25~26歳差 | 年下 | 40歳 |
光源氏は、17歳までは年上の女性ばかり
好きになっていましたが、
18歳を過ぎた頃から年下好きになっていきます。
紫の上と光源氏は
年の差婚のイメージが強いですが、
実は明石の君の方が年が離れています。
この記事では、
『源氏物語』の年表や女君との歳の差一覧を
紹介しました。
当ブログでは、『源氏物語』について
様々な観点から詳しく解説しています。
ご興味がありましたら、
ぜひ他の記事も読んでみてくださいね😊
\写本一覧と定家本の解説/
\源氏物語の成立事情/