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撫子
このサイトの管理人
30代後半の主婦。
高校生の頃から源氏物語に興味を持ち始めました。大学では源氏物語を研究し、日本語日本文学科を首席卒業しました。
30代になり、源氏物語を改めて学びなおしています。
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源氏物語の現代語訳おすすめランキング!わかりやすい順に1位~8位を紹介。

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源氏物語の現代語訳おすすめランキング!わかりやすい順に1位~8位を紹介。

この記事では、インターネット上のレビューと
筆者が実際に読んでみた感覚との総合評価にて、
わかりやすさという観点から、
『源氏物語』の現代語訳をランキングにしました。

この記事の内容

『源氏物語』現代語訳ランキング

『源氏物語』の現代語訳を選ぶ際に、
ぜひ参考にしてください。

目次

1位 瀬戸内寂聴訳

1位は、瀬戸内寂聴訳です!

寂聴訳『源氏物語』は
刊行開始から2年足らずで通巻部数が
(古典では異例の)200万冊を突破し、
今もなお好調な売れ行きを記録している現代語訳です。

『源氏物語』といえば、
瀬戸内寂聴というイメージがある人も多いでしょう。
『源氏物語』現代語訳の決定版です。

瀬戸内寂聴訳の特徴

です・ます調で上品な文体
地の文の敬語を残している
文意がわかりやすい
原文に忠実で創作箇所はない
適度な補足

全体的なバランスがよく、
現在刊行されている現代語訳の中では
もっともわかりやすいです。

SNSでも、瀬戸内寂聴訳『源氏物語』を
おすすめする声が多いです。
私も、いくつもの現代語訳を比べてみた結果、
やはり瀬戸内寂聴訳が一番だという結論を出しました。

こちらの記事では、8人の現代語訳を引用して比較しています。
ぜひ参考にしてみてください。

2位 角田光代訳

2位は、角田光代訳です!

2023年10月に刊行開始され、2024年10月に完結した、
最も新しい現代語訳です。
累計35万部を突破している人気シリーズであり、
通販サイトでも多くレビューがついています。

角田光代訳の特徴

だ・である調で歯切れの良い文体
地の文に敬語はない
原文に忠実で創作箇所はない
適度な補足
古歌は全文を引用している

瀬戸内寂聴訳に並ぶくらい人気があります。

読みやすい現代語訳ではありますが、
個人的には瀬戸内寂聴訳のほうが
文体が美しく、
文意がわかりやすいと感じたので、
角田光代訳を2位としました。

角田光代訳は、
心の声がカギ括弧で囲われていなかったり、
改行が少ない部分があり、文字がぎっしりして
見えるところが多いです。
わかりやすさを重視するあまりに
割愛している部分も見られます。

とはいえ、「だ・である調」で敬語を排除した
歯切れの良い文体が好きな人にとっては、
良い訳文だと思います。

SNSでも話題です。

こちらの記事で、角田光代訳の一部を引用して紹介しています。

3位 林望訳

3位は、林望訳です。

林望訳はあまり有名ではありませんが、
実は読みやすい現代語訳で、
レビュー評価が非常に良いです。
知る人ぞ知る『源氏物語』の現代語訳です。

林望訳の特徴

だ・である調で歯切れの良い文体
地の文に敬語はない
原文に忠実で創作箇所はない
古歌は全文を引用
補足の量が多め

補足の量が多くて親切なので、
文の意味がとてもわかりやすいです。

ただし補足が多いので、
原文への忠実度は下がります。

古典を読むという意味で、
やはり忠実度は大切だと思うので、
林望訳はわかりやすいながらも3位としました。

・原文への忠実度を気にしない
・だ、である調の文体が好き

という人にとっては最適の訳文です。

こちらの記事で、林望訳の一部を引用して紹介しています。

著:林 望, 編集:林 望
¥8,789 (2024/12/16 01:05時点 | Amazon調べ)

4位 荻原規子訳

4位は、萩原規子訳です。

荻原規子氏は児童文学作家なので、
とにかく文章が平易でわかりやすく
ティーンズにも読めるくらいです。


レビュー評価もよく、
他の現代語訳で挫折した方でも
荻原規子訳なら読める
可能性が高いです。

荻原規子訳の特徴

です・ます調でやさしい文体
かみくだいた簡潔な文章
地の文に敬語はない
創作箇所はない
和歌の原文がない

とてもやさしく分かりやすい文章
であるがゆえに
原文に対する忠実度は下がります。
ですが、ストーリーの創作はなく、
しっかり『源氏物語』の世界を楽しめます。

中学生・高校生に特におすすめです。

ティーンズ向けランキングであれば1位ですが
大人が読むと物足りなさがあるので
4位くらいでしょうか。

こちらの記事で、荻原規子訳の一部を引用して紹介しています。

・『紫の結び』全3巻

・『つる花の結び』(上・下)

・『宇治の結び』(上・下)

5位 大塚ひかり訳

5位は、大塚ひかり訳です。

大塚ひかり訳は残念ながら
絶版になってしまっているようです。
しかし、口コミでは評価が高いです。

実際に読んでみましたが、
わかりやすい日本語ですし、
「ひかりナビ」という解説も親切で
悪くない訳本だと思いました。

大塚ひかり訳の特徴

だ・である調の文体
地の文に敬語を残している
(皇族に対してのみ敬語を使用)
カタカナ語を採用している
原文重視の姿勢

大塚ひかり訳の大きな特徴は、
「ラッキー」「ムード」などのカタカナ語
使用しているところです。
それでいて、原文重視の姿勢を見せており
訳者が要注目と判断した原文は、
ダブルクォーテーション“”で囲ってあります。
そして随所に見られる「ひかりナビ」という
解説で丁寧に補足説明がされています。


オリジナル性のある訳文だと思うので、
再版してほしいですね。
中古や図書館で見かけたらぜひ読んでみてください。

個人的にはカタカナ語の使用に違和感が
あったのと、絶版で入手しづらいという
状況から5位としました。

こちらの記事で、大塚ひかり訳の一部を引用して紹介しています。

6位 円地文子訳

6位は、円地文子訳です。

1996年に瀬戸内寂聴訳が出版されるまで、
『源氏物語』の現代語訳は円地文子訳が
わかりやすいと言われていました。
103万部の発行部数を記録しているヒット作です。

円地文子訳の特徴

だ・である調の文体
地の文に敬語を残している
創作箇所がある

1位~5位に紹介した現代語訳と比べると
一文が長いところがよく見られ、
読解の難易度は高くなります。

ただし、平易な日本語で書かれているので
頑張れば高校生でも読めます。

光源氏と藤壺の宮の逢瀬のシーンなど、
訳者の想像で補っている部分があります。
小説として面白く読むことができますが、
原作への忠実度が下がります。

わかりやすさという意味だと
6位が妥当でしょう。

こちらの記事で、円地文子訳の一部を引用して紹介しています。

著:紫式部, 翻訳:円地 文子

7位 谷崎潤一郎訳

7位は、谷崎潤一郎訳です。

谷崎潤一郎訳は、戦前から戦後にかけて刊行され、
当時の『源氏物語』ブームの火付け役となりました。
83万部の発行部数を記録したベストセラーです。

谷崎潤一郎訳の特徴

です・ます調のみやびな文体
地の文に敬語を残している
原作に忠実である
一文が長い
主語が充分に補われていない

谷崎潤一郎訳は知名度はありますが、
初心者にはハードルが高いです。

谷崎訳の発刊後に出た
1位~6位までの現代語訳のほうが
ずっとわかりやすいです。

わかりやすさを求めるのであれば、
谷崎潤一郎訳は選択肢には入らないと思います。
まずは瀬戸内寂聴訳や角田光代訳を
読むほうが、挫折しづらいでしょう。


こちらの記事で、谷崎潤一郎訳の一部を引用して紹介しています。

原著:紫式部, 翻訳:谷崎 潤一郎

8位 与謝野晶子訳

8位は、与謝野晶子訳です。

与謝野晶子訳は172万部の発行部数を記録した
ベストセラーです。
『新新訳源氏物語』は、1938年(昭和13年)
から1939年(昭和14年)にかけて刊行されました。
谷崎潤一郎よりも古い現代語訳です。

近代における『源氏物語』の普及に
大きな影響を与えたという意味で、
文学史的に意義の大きい訳本となっています。

与謝野晶子訳の特徴

だ・である調の体
地の文から敬語を排除している
和歌の現代語訳が無い
一文が長い
誤訳がある
文意がわかりづらい箇所がある

谷崎潤一郎訳と同じく、
有名ではありますが、現代人にとって、
あまり分かりやすい訳文ではありません。

1位~6位まで紹介してきた現代語訳に比べると
初心者にはおすすめできません。

こちらの記事で、与謝野晶子訳の一部を引用して紹介しています。

著:紫式部, 著:與謝野 晶子, イラスト:水口 理恵子, 翻訳:與謝野 晶子
KADOKAWA
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