『源氏物語』に出てくる女性たちは、
さまざまな個性を持ち、それぞれに独特の運命を課せられ
一人として同じような人物はいません。
私たち読者は、物語を読み進めるうちに
女君たちがそれぞれに持つ魅力にひきつけられていきます。






この記事では、『源氏物語』に登場する
魅力的な女性登場人物を紹介します。
・『源氏物語』女性登場人物一覧
・主な女性登場人物の紹介
この記事を読むことで、『源氏物語』の
女性登場人物についてざっくりと理解することができます。
『源氏物語』を読む際の予習復習にお役立てください。
女性一覧表(ひと目でわかる早見表)
第一部~第二部の女性一覧表
光源氏を主人公として展開する
『源氏物語』第一部~第二部に登場する
女性の一覧表です。
| 特徴 | 関係性 | 運命 | |
|---|---|---|---|
| 紫の上 | 源氏から最も愛された女性。美しく穏やか。 | 光源氏の妻 | 10歳の頃に光源氏にひきとられ、14歳で結婚 |
| 葵の上 | 美しいが、不愛想で冷淡な女性。 | 光源氏の最初の正妻 | 夕霧を出産後に、六条御息所の生霊にとりつかれ死去 |
| 女三の宮 | ぼんやりしていて幼い雰囲気の女性。 | 光源氏の二番目の正妻 朱雀院の娘 | 柏木と密通し、薫を出産 |
| 藤壺の宮 | 源氏の憧れの女性。容貌も性格も完璧な女性 | 光源氏の父帝の后 | 光源氏と密通し、冷泉帝を出産 |
| 明石の君 | プライドと謙虚さをあわせもった賢い女性 | 光源氏の妻 | 光源氏と結ばれ娘を出産する。娘は東宮妃になる |
| 明石の姫君 | 東宮妃⇒中宮になり女としての栄華を極める女性 | 光源氏の娘 | 実母は明石の君だが紫の上に養育される。 |
| 花散里 | 大人しく内気で家庭的な女性。不美人。 | 光源氏の妻 | 六条院に迎えられ妻の一人として幸福に暮らす。 |
| 空蝉 | 意志が強くプライドの高い女性。不美人だがセンスが良い。 | 光源氏の恋人 | 夫が亡くなった後は、二条院にひきとられ光源氏の庇護を受ける。 |
| 軒端の荻 | 朗らかで才気のある美人だが少し下品。 | 光源氏の恋人 空蝉の義理の娘 | 光源氏と一夜の契りを交わすが、蔵人少将と結婚 |
| 夕顔 | はかなげで従順で可憐な女性。 | 光源氏の恋人 | 某の院で光源氏と宿泊中に亡霊にとりつかれ死去 |
| 朧月夜 | 明るく素直で自由奔放な性格の女性。 | 光源氏の恋人 | 光源氏と恋仲になるが、結局は尚侍として朱雀帝に愛される |
| 末摘花 | 古風で世間知らずだが、大人しく一途な女性。鼻が赤く不美人。 | 光源氏の妻 | 妻として二条院に迎えられ、穏やかに暮らす |
| 朝顔の姫君 | 理性的で上品で優しい女性。結婚に消極的 | 光源氏の友人 | 光源氏の求婚を拒否し続け、独身を通す |
| 玉鬘 | 明るく親しみやすい性格の美人。 | 光源氏の養女 | 多くの男から求婚された後に髭黒大将の妻となる |
| 真木柱 | 髭黒の愛娘で、父との別れを非常に悲しんだ | 髭黒の娘 | 蛍兵部卿宮の後妻⇒夫死後は紅梅内納言と結婚 |
| 桐壺の更衣 | 大人しく従順な女性。儚げで可愛らしい雰囲気。 | 光源氏の母 | 桐壺帝に溺愛され光源氏を産むが数年後に病死 |
| 秋好中宮 | 落ち着いていておっとりした雰囲気の美人。秋が好き。 | 光源氏の養女 | 六条御息所の娘。冷泉帝に入内し中宮となる。 |
| 近江の君 | 早口で下品で教養のない女性。笑われ役 | 頭中将の隠し子 | 頭中将が娘としてひきとるが処遇に苦慮する |
| 筑紫の五節 | かつて五節の舞姫をつとめた女性。源氏は時折、彼女を思い出す。 | 光源氏の恋人 | 父親に従って九州へ下向。須磨で源氏と和歌を詠み交わす。 |
| 源典侍 | 好色者の老女。派手好きで厚かましい笑われ役。 | 光源氏の恋人 | 光源氏と一時的な恋の戯れを楽しむ。後に出家 |
| 中川の女 | 中川の小さな家に住んでいる女 | 光源氏の恋人 | 光源氏とは分かれ別の男を通わせるようになる |
| 弘徽殿大后 | 冷淡な性格の女性。桐壺更衣を虐め、光源氏を須磨においやる。 | 光源氏の政敵 | 光源氏が都に返り咲くと、出番は激減。ひっそりと隠遁生活を送る。 |
| 雲居の雁 | 家庭的だが自己主張の強い女性。 | 夕霧の妻 | 幼馴染の夕霧と結婚し多くの子を産む。 |
| 落葉の宮 | 気品高く優美な女性。夕霧の求婚は拒否していた | 夕霧の妻 | 夫・柏木の死後、夕霧から求婚を受け、結婚。 |
| 藤典侍 | 美しい女性。五節の舞姫をつとめた際に夕霧に見初められる。 | 夕霧の妾 | 夕霧の妾となり多くの子を産む。 |
第三部の女性一覧表
薫を主人公として展開する
『源氏物語』第三部に登場する
女性の一覧表です。
| 特徴 | 関係性 | 運命 | |
|---|---|---|---|
| 宇治の大君 | 優雅で上品な美人。痩せている。 | 薫の思い人 | 薫から求愛されるが、拒否したまま病死する。 |
| 宇治の中君 | おっとりした雰囲気の美人。大君より可愛らしい。 | 薫の思い人 匂宮の妻 | 匂宮の妻となり男子を出産する。薫からも思いをかけられる。 |
| 浮舟 | 大君にそっくりの美人。頼りなく流されやすい | 薫の恋人 匂宮の恋人 | 薫と匂宮、2人の男から愛され、悩んだ末に宇治川に入水。僧都に助けられ出家する。 |
| 女一の宮 | この上なく気高くたおやかな美女。 | 薫の憧れの人 | 幼い頃に姿を見て以来、ずっと薫が憧れている |
| 女二の宮 | 小柄で上品で落ち着いた女性。姉女一の宮ほどの美貌ではない。 | 薫の正妻 | 薫に降嫁するが心からは愛されない。 |
| 六の君 | 夕霧と藤典侍の娘。美しく気立ての良い女性。 | 匂宮の正妻 | 匂宮と結婚し、愛される。 |
| 玉鬘の大君 | 気高く洗練されて可愛らしい華やかな美女。 | 薫の思い人 冷泉院の妃 | 冷泉院に参院し愛されるが、后たちの嫉妬に悩まされる。 |
| 玉鬘の中君 | 気高く優美。重々しい奥ゆかしさが優っている。 | 尚侍として幸福な宮仕え生活を送る。 | |
| 紅梅大納言の大君 | 華やかで可愛らしい雰囲気の女性。 | 紅梅大納言の娘 | 17、18歳で東宮に入内し、麗景殿女御となる。 |
| 紅梅大納言の中君 | 上品で優美で落ち着いた雰囲気の女性 | 紅梅大納言の娘 | 父紅梅大納言は匂宮と結婚させたいと企てるがうまくいかない。 |
| 宮の御方 | 控えめながら明るく愛嬌のある性格。結婚に消極的。 | 匂宮の思い人 真木柱と蛍兵部卿宮の娘 | 匂宮から求愛を受けるが、本人も母親も受ける気はない。 |
| 宰相の君 | 容貌も気立ても良い女房。 | 薫の恋人 | こっそりと薫と交際している。 |
| 宮の君 | 若々しく愛嬌がある。 | 薫の思い人 匂宮の思い人 蜻蛉の宮(光源氏の弟)の娘 | 父の死後、女房として明石中宮に仕える。薫と匂宮から懸想される。 |
物語内では
他にも、大宮、一条御息所、右近、王命婦
弁の尼など女性の脇役が登場しますが、
ここでは存在感のある人物を38人紹介しました。
次に代表的な女君についてもう少し詳しく解説します。
光源氏の「正妻・準正妻」グループ(3人)
紫の上(準正妻)
【性格と運命】
紫の上は、光源氏の最愛の妻として描かれる
『源氏物語』の中心人物です。
藤壺の宮の姪にあたり、容姿も性格もよく似た
絶世の美女で、穏やかで聡明、子ども好きで
面倒見がよい性格が魅力的です。
しかし、10歳で光源氏に引き取られ
14歳で強引に結婚させられ、
夫の度重なる浮気に悩まされ続けました。
妻としての立場は準正妻であると指摘されており、
正妻にもなれず、晩年に切望した出家さえ
許されないまま43歳で病没しました。
【見どころ】
ライバルである明石の君と
友情を育むほどの器の大きさと、
不条理な運命に耐えながらも
気品を失わない姿が見どころです。
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葵の上(最初の正妻)
【性格と運命】
葵の上は、光源氏の最初の正妻です。
左大臣の娘で母(大宮)は桐壺帝の妹という
高貴な家柄の姫君です。
気品ある美貌の持ち主ですが、
性格は冷淡で不愛想。
光源氏に素直に甘えられず、
長年よそよそしい態度をとり続けました。
その根底には、夫の浮気への怒りと
「もっと愛されたい」という本音が隠れており、
不器用さが際立ちます。
やがて懐妊し、息子・夕霧を出産。
この頃ようやく夫婦に打ち解けの
兆しが見え始めますが、車争いがきっかけで
恨みを募らせた六条御息所の生霊にとりつかれ、
26歳の若さで急死してしまいます。
【見どころ】
愛し合えないまま幕を閉じた
悲劇的な結末が見どころとなっています。
▼系図など葵の上の詳細はこちら▼


女三の宮(二番目の正妻)
【性格と運命】
女三の宮は、朱雀院の第三皇女にして
光源氏の二番目の正妻です。
幼く頼りない性格で、配慮や機転が苦手。
無邪気で人見知りせず悪意もありませんが、
ガードがゆるく従順すぎる点が
最大の弱点となっています。
藤壺中宮の姪という血筋を買われて
光源氏に降嫁しますが、
子どもっぽさに失望した源氏からは
深い愛情を得られませんでした。
やがて柏木に部屋へ忍び込まれ、
強引な密通を拒めないまま関係を重ね、
息子・薫を出産。
不倫の発覚後は光源氏からも冷遇され、
最終的に出家して仏道に生きる道を選びます。
【見どころ】
男たちの思惑に翻弄され続けた受け身の人生の中で、
密通という悲劇が、皮肉にも彼女に
精神的成長をもたらす点が見どころです。
▼系図など女三の宮の詳細はこちら▼


光源氏が深く愛した女性グループ
藤壺の宮
【性格と運命】
藤壺の宮は、先帝の后腹の内親王として生まれ、
桐壺帝の后となりました。
『源氏物語』の最重要人物の一人です。
優しく気品があり、
洗練されたセンスと奥深い嗜みを持つ、
まさに大和撫子と呼ぶべき絶世の美女でした。
一方で、警戒心が強く慎重で、
光源氏に対して隙を見せない
プライドの高い女性でもあります。
光源氏の初恋の人でありながら
義母にあたる立場ゆえに、
その想いを基本的には拒み続けましたが、
密通により懐妊し後の冷泉帝を出産します。
罪の意識と世間の目への恐れから出家を決断し、
仏道に生きる道を選びました。
【見どころ】
光源氏がすべての女性に藤壺の面影を
求めたという点に、この物語全体を
貫く存在としての見どころがあります。
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明石の君
【性格と運命】
明石の君は、光源氏が須磨・明石に流浪した際に
出会った妻の一人で、中流貴族の出身です。
特別な美貌はないものの、上品でやわらかく、
琵琶の名手でもある教養豊かな女性です。
最大の特徴は、高いプライドと謙虚さを
絶妙に共存させていることで、
身分の高い相手でなければ結婚しないと
心に決めるほどの気位の高さを持ちながら、
決して出しゃばらず自分をわきまえた態度を貫きます。
光源氏との間に娘・明石の姫君をもうけますが、
娘の将来を案じ、あえて紫の上の養女として手放す
という苦しい決断をしています。
その姫君はやがて中宮となり、
一族は栄華を極めます。
【見どころ】
心の底が見えないミステリアスな二面性が
光源氏を魅了し、紫の上とも不思議な友情を
結んだ点が見どころです。
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花散里
【性格と運命】
花散里は、桐壺帝の后・麗景殿女御の妹として
生まれた、光源氏の妻の一人です。
若い頃から美人ではなく、痩せて髪も少ないと
物語中で辛辣に評される容姿でしたが、
おっとりとして怒らず、嫉妬せず、浮気もしない
家庭的な性格が光源氏に深く信頼されました。
お裁縫や染色にも優れ、
六条院を陰で支える存在でした。
光源氏との夜の夫婦生活は早くに
途絶えましたが、見捨てられることなく
側室の一人として大切にされ、
夕霧と玉鬘の母代わりという重責も担います。
さらに夕霧の子も孫として育てる
愛情深い人物です。
【見どころ】
見どころは、野心や競争とは無縁の
穏やかな生き方でありながら、
光源氏の妻たちの中で紫の上に次ぐ信頼を得た
点になります。
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六条御息所
【性格と運命】
六条御息所は、大臣の娘として生まれ16歳で
東宮妃となりましたが、20歳で夫に
先立たれた未亡人です。
教養が高く洗練されたセンスを持つ
女性として貴族社会に名高く、
文学サロンを形成するほどの才媛でした。
しかし、そのプライドの高さと
物事を強く思い詰める性格が、
恋人であった光源氏に、「重苦しい」と
敬遠される原因となります。
深く傷ついた嫉妬心と執着心が
魂を体から切り離し、生霊となって
夕顔と葵の上にとりつき、
死後も紫の上と女三の宮を苦しめました。
光源氏から距離を置かれたままに
37歳で病没する悲劇的な運命を辿りますが、
娘・秋好中宮が冷泉帝の后として
幸せになった点が唯一の救いです。
【見どころ】
圧倒的な情念が生死を超えて物語を動かす、
最も印象的な女君の一人といえます。
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夕顔
【性格と運命】
夕顔は、三位中将の娘として生まれながら
早くに両親を亡くし、落ちぶれて五条の
小さな家に身を潜めて暮らしていた女君です。
おっとりと従順で、しなやかな
儚い雰囲気を持ち、世間知らずで可愛らしい
癒し系の性格が魅力です。
頭中将の愛人として娘・玉鬘を産んだ後、
頭中将の正妻の父から嫌がらせを受けて
身を隠していたところ、19歳で光源氏と
出会い恋愛関係となります。
光源氏は夕顔の可憐さに強く惹かれ、
側室として迎える意向を持っていました。
しかし、2人が荒れ果てた「なにがしの院」
へ移った夜、物の怪に憑かれた夕顔は
急死してしまいます。
【見どころ】
わずか一巻だけの登場でありながら、
その儚い美しさと悲劇的な最期が
読者の心に深く刻まれる、印象的な存在です。
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宇治十帖の女性グループ
大君
【性格と運命】
宇治の大君は、八の宮と北の方の長女として
生まれた、気高く上品で思慮深い姫君です。
幼くして母を亡くし、宇治の山荘でひっそりと
暮らしていました。
両親を失った後ろ盾のない身では、
結婚しても惨めな結果になるだけである
という世間体への強い意識から
生涯独身を貫こうとしていました。
それは父の遺訓でもありました。
大君は、誠実な薫に好感をもちながらも、
自分ではなく妹の中君と薫が結ばれることを
願って、その求愛を最後まで拒み続けました。
しかし薫は大君の意に反して匂宮と中君を
結婚に誘導します。
裏切られたと感じた大君は嘆きを重ねた末に
病に倒れ、26歳の若さでこの世を去ります。
【見どころ】
薫を拒み抜いた大君が、死後も長く薫の心を
占有し、その面影を求めて「身代わりの恋」が
中君・浮舟へと連鎖していく点が見どころとなっています。
中の君
【性格と運命】
宇治の中君は、八の宮と北の方の次女で、
姉の大君と共に宇治の山荘で育ちました。
姉が物静かで気高い女性であるのに対し、
中君は可愛らしくはなやかな魅力を持つ姫君です。
父亡き後、薫の手引きにより思いがけず
匂宮と結ばれますが、身分差から
匂宮の宇治への訪問はなかなか叶わず、
心労を重ねた姉・大君はやがて亡くなってしまいます。
都の二条院に迎えられた後も、
匂宮に新たな縁談(六の君との結婚)が持ち上がり
深く苦しみますが、懸命に生きようとする意志で
「世の常」の妻としての道を選び取り、
匂宮との間に男子を産んで世間から重んじられる
立場となります。
【見どころ】
見どころは、宇治三姉妹の中でただ一人
幸福を手にしながらも、
薫と匂宮の身勝手な思惑に翻弄され続けた末に、
自らに課せられた運命を引き受ける強さを
示す点にあります。
浮舟
浮舟は、宇治八の宮と女房との間に
生まれた娘で、実父に娘として認知されないまま
中流貴族(常陸介)の養女として育った姫君です。
色白で繊細な美貌を持ち、
亡き大君によく似た顔立ちが薫の心を引きます。
性格はおっとりとして純情で流されやすく、
教養はあまり高くありません。
薫の愛人となった後、
情熱的な匂宮が寝所に忍び込んで関係を持ち、
以来、匂宮への恋心に悩まされます。
薫と匂宮どちらも選べず煩悶した末に
宇治川への入水を決意しますが、
横川僧都に助けられ生き延び、21歳という
若さで出家します。
【見どころ】
見どころは、匂宮と薫の板挟みとなり
追い詰められていく心理描写の緻密さと、
すべてを捨てて仏道を選ぶという、
物語を締めくくるにふさわしい悲劇的な結末にあります。
▼系図など浮舟の詳細はこちら▼


その他印象的な女性たち
空蝉
【性格と運命】
空蝉は、中納言兼衛門督の娘として生まれた
中流貴族の姫君です。
入内の話もありましたが、両親を亡くして
後ろ盾を失ったため、
年の離れた受領・伊予介の後妻におさまる
という不本意な境遇に置かれました。
まぶたが厚ぼったく鼻筋の通らない不美人
でしたが、穏やかでありながら意志が強く、
倫理観がしっかりした賢い女性です。
強引な形で光源氏と男女関係を
結ばされましたが、以降の求愛をきっぱりと
拒絶し続けました。
光源氏に魅力を感じながらも、受領の後妻という
立場で不倫を続けることをプライドが
許さなかったのです。
夫の死後は出家し、光源氏に二条東院で
生活を支えてもらいます。
【見どころ】
見どころは、美貌も高い身分もない中で、
衣を脱ぎ捨てて逃げるという印象的な場面に
象徴される、一貫した気高さと倫理観にあります。
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朧月夜の君
【性格と運命】
朧月夜の君は、右大臣の六女で、
光源氏の政敵である弘徽殿女御の妹にあたる、
華やかな美人です。
自分の気持ちに素直な自由奔放な性格で、
意志が弱く状況に流されやすい点が
最大の弱点です。
入内する予定が光源氏との密通の露見
によって叶わず、尚侍として朱雀帝の寵愛を
受けながらも光源氏との逢瀬を重ねるという
大スキャンダルを起こします。
やがて朱雀帝の深い愛を知るにつれて
光源氏の愛の浅さに気づき後悔しますが、
中年になっても光源氏のアプローチに負けて
一夜を過ごしてしまいます。
最終的には光源氏に何も告げないまま出家し、
静かに物語から退場します。
【見どころ】
見どころは、光源氏に都合よく扱われながらも
生涯にわたり恋心を捨てられなかった、
愛情深くも不器用な女性の姿にあります。
▼系図など朧月夜の君の詳細はこちら▼


末摘花
【性格と運命】
末摘花は、常陸宮の娘として生まれた
高貴な姫君ですが、父の死後に後ろ盾を失い
貧困に苦しんでいました。
ワシ鼻で鼻の先が赤く、顔色が青白い面長という
強烈な不美人で、『源氏物語』三大醜女の一人と
されています。
性格は無口で内気、古風で世間知らず、
和歌も詠めず返歌は女房に頼む始末でしたが、
光源氏への想いは純粋で一途でした。
光源氏が須磨に流されて生活支援が
途絶えた後も、荒れ果てた邸の道具類の
売却を拒み、父の遺志を守りながら
源氏の帰還をひたすら信じ待ち続けます。
その一途な姿に感動した光源氏は、
帰京後に末摘花を二条東院の妻の一人として
丁重に保護しました。
【見どころ】
見どころは、容姿や才能に恵まれないながらも
揺るぎない誠実さで光源氏の心を動かした、
独特の愛らしさにあります。
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源典侍
【性格と運命】
源典侍は、桐壺帝に仕える上臈の女房で、
源氏姓を持つ身分の女性です。
若い頃は女御や更衣と帝の寵愛を争ったほどの
美貌と才気を誇り、琵琶の名手で催馬楽の声も
美しい教養豊かな人物でした。
しかし、光源氏と出会った「紅葉賀」の巻では
57、58歳の老女となっており、目の周りは
落ちくぼんで皺だらけながら派手な若作りで
光源氏に積極的に言い寄るという
滑稽な姿を見せます。
好色で厚かましく、状況をわきまえない行動が
光源氏や頭中将に笑い話にされながらも、
70代になっても恋心を忘れず生き続けた
たくましさが印象的です。
【見どころ】
見どころは、シリアスな展開の続く物語の中で
喜劇的な息抜きとして機能していると同時に、
老いと好色という人間の普遍的なおかしみを
鋭く描き出している点にあります。
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近江の君
【性格と運命】
近江の君は、内大臣(頭中将)が
光源氏の養女・玉鬘の評判をうらやみ、
自分の隠し子を探させて近江国で見つけた娘です。
父によく似た愛嬌のある顔立ちながら、
身分の低い母のもとで育ったため、
甲高い声での早口・品のない双六好き・
支離滅裂な和歌など、貴族的教養とはおよそ
かけ離れた性格で、物語随一の「笑われ役」
として描かれています。
父に気に入られようと便所掃除まで
申し出るなど、健気で物怖じしない積極性を
持つ一方、その行動がことごとく逆効果となり、
内大臣に疎まれ異母姉・弘徽殿女御の女房として
扱われます。
【見どころ】
見どころは、同じく地方育ちながら賞賛を集める
玉鬘との対比にあります。
父の愛を求めて必死にがんばる近江の君の姿には
笑いの裏に悲哀が滲み、平安貴族社会に
馴染めなかった女性の悲哀が鋭く描かれています。
まとめ+関連記事への誘導
この記事では、『源氏物語』に登場する
女性登場人物を紹介しました。
個性豊かな女君たちの魅力や見どころが
伝わったでしょうか?
以下の記事では、男君を含め『源氏物語』の
登場人物を紹介しています。
系図もついていますのでぜひ読んでみてくださいね。
光源氏が関係を持った女性の人数も記載しています。


当ブログでは、『源氏物語』について
様々な観点から解説する記事を作成しています。
もし興味があれば、他の記事も
読んでみてください😊














