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撫子
このサイトの管理人
30代後半の主婦。
高校生の頃から源氏物語に興味を持ち始めました。大学では源氏物語を研究し、日本語日本文学科を首席卒業しました。
30代になり、源氏物語を改めて学びなおしています。
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【源氏物語】六条院の見取り図を紹介。春夏秋冬の町の植物が美しい!住んでいた人の名前も。

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六条院の見取り図を紹介。春夏秋冬の町の植物・場所と広さも解説。住んでいた人もわかります。

源氏物語 初心者
『源氏物語』に出てくる六条院てどんな邸宅だったの?見取り図が見たい!


筆者
この記事では、六条院の見取り図を掲載した上で、住んでいた人や植えられていた植物など、詳しく紹介しています。


六条院とは、光源氏が35歳の頃に建てた邸宅で、
自らの権勢を京中に知らしめる大豪邸でした。

四季折々の情緒を楽しめるように
春夏秋冬の4つの町に区切られ、それぞれに
光源氏の愛する女性たちを住まわせました。

この記事の内容

・六条院の見取り図の紹介
・六条院の春夏秋冬の植物の紹介
・六条院に住んでいた人の紹介
・六条院のモデルになった邸宅の紹介

この記事を読むことで、
六条院のことをしっかり理解することができます!

筆者
ぜひ最後までお読みください。

目次

六条院の見取り図

まず六条院の見取り図を紹介します。
『源氏物語図典』に掲載されている
池浩三いけこうぞう氏説と玉上啄彌たまがみたくや説の図を参考にしながら
当ブログの筆者が作成したものです。

六条院の見取り図

六条院の見取り図・平面図
六条院の見取り図

寝殿しんでん
正殿のことであり、
主人が生活する中心的建物。
中央部の母屋の東西どちらかに
塗籠ぬりごめと呼ぶ閉鎖的空間がある。

釣殿つりどの
池に臨んで作られる
釣りをするための建物のこと。
開放的でくつろいだ場所として
月見や雪見なども行われた。

「常夏」「蜻蛉」の巻では、
釣殿で納涼が行われている。
「胡蝶」の巻では船楽の際に
春の町の釣殿が船着き場として
使われている。

御倉町みくらちょう
蔵の集中したエリアのことで、
六条院の財物が収納・管理されている。

車宿くるまやど
牛車から牛を放して車を入れておく建物で
車庫のようなもの。

築地ついじ
土塀のこと。瓦を上に置く場合もある。

中島なかのしま
池には必ず中島が作られた。
築山とすることもあった。
植物が植えられるだけでなく、
立石がされたり、苔を生やしたりもした。
中島には反橋そりはしを渡して行けるようにしたり、
舟遊びで立ち寄ることもあった。

馬場うまば
馬術の鍛錬や競技のため、馬を走らせる場所。

らち
木や竹を結って作られた低い垣根。
馬場の両脇に設けられた。

馬場殿うまばどの
馬場を観覧するための建物。

御厩みまや
馬の調教や飼育をする建物。

侍所さむらいどころ
家人(家臣・従者)や武士らが
伺候するところ。

中門ちゅうもん
釣殿に至る廊を中門廊といい、
この廊の中央部を横切る門を
中門という。

雑舎ぞうしゃ
使用人の住まいや炊事関係の建物。

草木を植えた庭の植え込みのことを
前栽せんざいといいます。
建物や廊に囲われた中庭に作られた
前栽を「壺前栽」と呼びます。
寝殿近くの庭の前栽のことを
「御前の前栽」と呼ぶことがあります。

源氏物語ミュージアムで展示されている「六条院」の復元模型
源氏物語ミュージアムで展示されている
「六条院」の復元模型

六条院は、4つの区画に別れています。
一つずつ解説していきますね。

春の町<解説>

右下の町は春の町です。
辰巳たつみ(東南)の町とも呼ばれます。

庭には春の植物がたくさん植えられており、
南の池は、春の町から秋の町に通じるように
作ってあります。

池と池の間にある築山は、
春の町と秋の町の双方を隔てる役割を
担っています。

筆者
春の町は、光源氏と紫の上の住まいだよ!

光源氏が住んでいるので、
六条院のメインとなる御殿です。

「初音」の巻の男踏歌、「胡蝶」の巻の船楽、
「若菜上」の巻の源氏四十賀の祝いや女楽など、
さまざまなイベントがこの町で行われています。

六条院で行われた女楽
「源氏物語手鑑 若菜三」土佐光吉著 桃山時代



⇒春の町に植えられていた植物はこちらで解説しています!

夏の町<解説>

右上の町は、夏の町です。
丑寅うしとら(北東)の町とも呼ばれます。
庭には夏の植物が植えられています。

東面は、馬場うまばが作られていて
そばの厩舎きゅうしゃには素晴らしい馬が
何頭もつないであります。
馬場は春の町のほうまで伸びています。

筆者
夏の町は、花散里が住んでいます。

「蛍」の巻で六条院馬場殿で騎射きしゃ
行われており夏の町が
イベント会場となっています。

⇒夏の町に植えられていた植物はこちらで解説しています!

秋の町<解説>

左下の町は、秋の町です。
未申ひつじさる(南西)の町とも呼ばれます。
庭には秋の植物がたくさん植えられています。

「藤裏葉」の巻で、中の廊の壁を崩して
春の町から秋の町の紅葉が
よく見えるようになっています。

筆者
御所を退出している時の秋好中宮の住まいです。


明石姫君の裳着もぎは、
秋好中宮が腰結こしゆいの役を務めたため
秋の御殿で行われました。

⇒秋の町に植えられていた植物はこちらで解説しています!

冬の町

左上の町は、冬の町です。
戌亥いぬい(西北)の町とも呼ばれます。
庭には松などの木々が多く植えられ、
雪景色が美しく鑑賞できるようになっています。

筆者
冬の町は、明石の君の住まいです。


北半分は築地で区切ってあって、
御倉町となっています。

明石の君は、他の女性と比べて身分が低いため
御殿のサイズが小さいです。

⇒冬の町に植えられていた植物はこちらで解説しています!

六条院の場所と広さ

源氏物語 初心者
六条院は、すごく広そうだね!どのくらいの広さだったの?


六条院の広さと場所については、
『源氏物語』原文中に記載があります。

【原文】
六条京極
ろくでうきゃうごく
のわたりに、中宮
ちゅうぐう
御古
おほんふる

みや
のほとりを、四町
よまち
をこめて
つく
らせたまふ。

【現代語訳】
六条京極の辺り、秋好中宮が以前住んでいらっしゃった場所の近辺を、四町をいっぱいにお造りになる。

「少女」の巻より引用

六条院は東京ドームよりも広い!

源氏物語 初心者
四町といわれても、よくわからない。どのくらい広いの?


六条院の総面積は、約6万3500平方メートルです。
東京ドームの面積が
4万6755平方メートルなので、
六条院は東京ドームよりも広い(1.35倍)
御殿であったということになります。

源氏物語 初心者
めちゃくちゃ広いね!

六条院の場所はここ!

六条院の場所は、「六条京極のあたり」です。

源融の河原院を
六条院のモデルとする説に従うと、
南は六条大路、北は六条坊門小路、
東は京極大路、西は萬里小路に囲まれた
四町の敷地ということになります。

六条大路は、現在の六条通。
六条坊門小路は、現在の五条通。
京極大路は、現在の寺町通。
萬里小路は、現在の柳馬場通。

以上のことから、
現在の地図に当てはめると
だいたい次のような位置が想定されます。

六条院のあった場所
六条院のあった場所
※タップすると拡大します

京阪清水五条駅の近く、
現在、MIMARU京都 河原町五条(ホテル)
や道知院(寺)などが
建っているところの周辺です。

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