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撫子
このサイトの管理人
30代後半の主婦。
高校生の頃から源氏物語に興味を持ち始めました。大学では源氏物語を研究し、日本語日本文学科を首席卒業しました。
30代になり、源氏物語を改めて学びなおしています。
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大河ドラマ「光る君へ」放送中! 漫画「あさきゆめみし」で源氏物語を学ぼう!

あさきゆめみしのあらすじと相関図を紹介!紫の上の最期と光源氏が最後どうなるかも詳しく解説!

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あさきゆめみしのあらすじと相関図を紹介!

源氏物語 初心者
源氏物語の漫画「あさきゆめみし」ってどんなお話なの?あらすじと相関図が見たい!


この記事では、「あさきゆめみし」の各話ごとの
あらすじを紹介しています。
わかりやすくまとめた人物相関図も
掲載していますので、ぜひ参考にしてください😊

この記事でわかること

・「あさきゆめみし」のあらすじ
・「あさきゆめみし」相関図
・紫の上の最期の様子
・光源氏の最期の様子

目次

あさきゆめみしのあらすじ【ネタバレあり】

あさきゆめみしのあらすじを
巻ごと&各話ごとに紹介していきますね。
【ネタバレあり】

巻の区分けは、
「あさきゆめみし 新装版」(全7巻)
に従っています。

※完全版、単行本とは巻の分け方が異なります。

「あさきゆめみし」のストーリーは
古典文学「源氏物語」の内容に従っています。
源氏物語の大まかなあらすじは、
こちらの記事で紹介しました。

筆者
源氏物語の簡単なあらすじを知りたい方は、こちらの記事のほうがいいかも!

1巻(其の一~其の八)のあらすじ

⇒相関図はこちらから確認できます!

其の一

桐壺の更衣は亡き大納言の娘で、
とても美しい娘でした。

桐壺の更衣は有力な後見もないままに
桐壺帝の後宮に入内します。

後宮では、すでに弘徽殿女御が帝から寵愛を得ていました。

桐壺の更衣は大人しい人柄ゆえに
他の后(女御・更衣)から
陰湿ないじめを受けることになります。

ところが、夜の内裏の庭にて、
帝と桐壺の更衣は運命的な出会いを果たすのです。

桐壺帝は桐壺の更衣の美しさに
一目ぼれしてしまいます。

桐壺の更衣は、
弘徽殿女御に嫉妬され、
睨まれるようになります。

桐壺帝と桐壺の更衣は
深い愛情で結ばれ、
更衣は何度も清涼殿(帝の寝所)に通いました。

弘徽殿女御は渡殿に汚物を撒き、
桐壺の更衣の通行を妨害したりなど
悲惨ないじめを繰り返します。

帝の愛情は弘徽殿女御から離れ、
ただ一人桐壺の更衣に注がれていくのでした。

やがて、二人の間には
美しい皇子(光る君)が誕生します。


その後も弘徽殿女御によるいじめは収まらず、
桐壺の更衣は雨にずぶ濡れになったことが
きっかけで体調を崩し、亡くなってしまいます。

光る君(光源氏)は
桐壺の更衣の母の元で育てられ、
9歳になります。

桐壺の更衣が忘れられない帝は、
更衣そっくりの女性を入内させました。

光源氏は母親そっくりの女性に心躍らせます。

其の一のポイント

・桐壺帝と桐壺の更衣の深い愛
・弘徽殿女御の嫉妬といじめ行為
・光源氏の誕生

(源氏物語の該当巻名:「桐壺」)

其の二

桐壺の更衣にそっくりの女性は、
藤壺の女御と称されました。

先帝の四の君であり、14歳です。

藤壺の女御と光源氏は仲睦まじく、
本当の母子のようでした。

しかし、源氏は12歳となり、
元服の式(成人の儀式)を受けたことで
これまでのように藤壺の女御の
そばにあがれなくなってしまいます。


正妻として左大臣の娘・葵の上
あてがわれますが、愛想のない女性であり、
源氏は葵の上を好きになれません。

光源氏は藤壺の女御のことを
女性として忘れられないのでした。

光源氏は葵の上のところには寄り付かず、
葵の上の兄・頭中将とばかり
親しい友人として関わっていました。

ある日、光源氏は、
宮中で美しい筆跡を見かけたのを
きっかけに、その筆の主
六条御息所(前東宮の后)に興味を持ちます。

六条御息所は少し藤壺に似ているような
気がして、光源氏は積極的にアプローチし、
ついに男女の関係を結んでしまいます。

其の二のポイント

・光源氏の藤壺への恋心の芽生え。
・正妻・葵の上との結婚。
・六条御息所とのなれそめ。

(源氏物語の該当巻名:「桐壺」「帚木」)

其の三

光源氏は17歳。
六条御息所と交際を続けていましたが、
六条御息所の嫉妬により二人の空気が悪くなる
ことがありました。

六条御息所は源氏との
年歳差も気にしていました。
(源氏より7歳年上)

正妻・葵の上との夫婦仲は
相変わらず良くありません。

光源氏はある日、
従者・惟光の母親であり
自身の乳母であった女性のお見舞いに、
五条へ出かけました。

乳母の邸の隣には、
夕顔の花が美しく咲く邸があり、
若い女性の姿が見えます。

源氏はその邸に興味を持ち、
童女を介して和歌の遣り取りをします。

邸の女主人・夕顔
光源氏は恋愛関係に発展します。

六条御息所は源氏の訪問が無くなり、
プライドが打ちひしがれてしまいます。

夕顔は友人・頭中将の昔の恋人であると
判明しますが、源氏は夕顔を深く愛し続けます。

ある夜、六条の荒れ果てた廃院に
夕顔を移して愛し合うのです。

そこで夕顔は、女の幽霊にとりつかれ、
亡くなってしまいます。
霊は、六条御息所の生霊でした。

当の六条御息所は、
邸で悪い夢(女性を襲う夢)
を見ていたのでした。

その後、光源氏は
夕顔と頭中将の一人娘を
引き取ることを検討しますが、
娘は行方不明となってしまいます。

源氏は18歳となります。
体調不良が続くので、山深い北山で
僧の祈祷を受けるなどして、療養をしていました。

そこで、幼い若紫と出会うのです。

其の三のポイント

・夕顔と光源氏の恋。
・六条御息所の高いプライドと生霊。
・光源氏と若紫の出会い。

(源氏物語の該当巻名:「夕顔」「若紫」)

其の四

光源氏は、北山で見つけた
10歳の幼い姫君(若紫)に
強い興味をそそられます。

若紫は
源氏の憧れの女性:藤壺に似ているのでした。

源氏は若紫と会話を交わし、
2人は親しくなります。

北山の僧都の会話から、
源氏は、若紫が僧都の妹の娘と
兵部卿宮の間に生まれた姫君である
ことを知ります。

母親は亡くなり、
今は祖母(僧都の妹)が
若紫の面倒を見ているのでした。

光源氏は、
若紫を引き取りたいと申し出ますが
まだ子どもだからという理由で断られます。

源氏は、北山から都に戻り、
父の桐壺帝に挨拶をします。

そのついでに藤壺の部屋の近くを通ると
たまたま藤壺の宮が端近に出ていました。

光源氏は気持ちを抑えきれず、
藤壺の宮にキスをして思いを告白
します。

後日、藤壺の宮が
里下がりしていると知った源氏は、
女房の命婦に手引きを頼み、
藤壺の宮と男女の契りを結んでしまいます。

2人は強い愛情で結ばれ、
密通の罪を分かち合うと決めたのでした。

やがて若紫の祖母は亡くなり、
源氏は若紫を二条院に連れ去ってしまいます。


若紫は、二条院の西の対のあるじとなったのでした。

其の四のポイント

・幼い紫の上(若紫)と源氏のなれそめ。
・源氏と藤壺の密通。

(源氏物語の該当巻名:「若紫」)

其の五

光源氏と頭中将は、友人同士
騎射や蹴鞠などでその才を競っていました。

ある日、源氏は女房(大輔の命婦)から
亡き常陸宮の姫君(末摘花)が、
心細い暮らしを送っているという噂を聞きます。

光源氏はその姫君を
嗜みの深い女性に違いないと思い、
大輔の命婦に手引きをお願いします。

源氏は、月の美しい夜に
常陸宮邸を訪問します。

末摘花は琴を少しだけかき鳴らしますが、
あまり上手くありません。
大輔の命婦はすぐに演奏をやめさせ、ごまかします。

帰り際に、源氏は、頭中将の姿を発見します。

友人でありライバルでもある
頭中将は、
光る君の恋が気になり、
後をつけてきたのです。

光る君と頭中将は競うように
末摘花に文を贈りますが、
内気で不器用な性格の女性なので
和歌も詠めません。

源氏は頭中将に先を越されまいと
再度、常陸宮邸を訪問。

末摘花は内気でうじうじしていましたが、
光る君は強引に押し入って
男女の契りを結んでしまいます。


末摘花は女らしい情緒がなく、
源氏は興味を失ってしまい、
しばらく訪問が途絶えます。

久しぶりに訪問した時のこと、
2人で迎えた雪の朝に、
源氏は末摘花のブサイクな容姿を
はっきりと見てしまいます。

光る君の訪問はまた途絶えますが、
末摘花は一途に源氏を想い続け、
衣装を贈ったり、頑張って苦手な和歌も詠んで贈ります。

源氏は困ってしまいますが、
末摘花が超絶ブスな上に
純真なので放っておけず生活の支援をします。


源氏は、二条院の若紫の前で
末摘花を真似て自分の鼻を赤く塗り、
ふざけて遊びます。

其の五のポイント

・源氏と末摘花の滑稽な恋の話。
・末摘花の不美人な容姿。
・末摘花の性格の純粋さ。

(源氏物語の該当巻名:「末摘花」)

其の六

若紫は光源氏から琴を教わり、
どんどん上達し、
理想的な成長ぶりを見せていました。

宮中には源典侍という60近い
高齢の女房がいました。

源典侍は年老いているのに非常に男好き。
源氏に恋心を抱き、積極的にアプローチします。

宮中では光源氏と源典侍の恋仲が
噂されています。
噂を聞いた頭中将は、
ライバル心から、源典侍に興味を持ちます。

ある日、源典侍が琵琶を弾きながら
歌っているのを目にして、興味をひかれた
源氏は、男女の契りを結んでしまいます。

事が終わった後に、頭中将が
源典侍の夫のふりをして部屋に入り込んできます。

男が頭中将だとわかり、源氏と頭中将は
もみあいになり、2人は笑い合います。

翌日、源典侍の夫(修理の大夫)が
昨夜、紛失した源氏の端袖と
頭中将の帯を持ってきます。

修理の大夫は妻が浮気をしているのを知って
寛大な心で許しているのでした。

その時、宮中では
藤壺の宮が懐妊したと騒がれていました。

其の六のポイント

・若紫の理想的な成長ぶり。
・高齢女房・源典侍と源氏との恋。
・頭中将と源氏とのライバル関係。

(源氏物語の該当巻名:「紅葉賀」)

其の七

光源氏との密通の子を妊娠した
藤壺の宮は、深く悩んでいました。


源氏は藤壺の宮を訪問しますが、
藤壺は強く拒絶します。

藤壺はあくまでも
子どもを桐壺帝の皇子として通すことを
決めたのです。

2人は密通の罪に苦しみます。

朱雀院の行幸で、
光源氏と頭中将は青海波を舞い、
藤壺はそれを苦しい気持ちで観ます。

桐壺帝の后・弘徽殿女御は、
帝の源氏と藤壺への寵愛が気に入らず、
不平を口にします。

藤壺は里下がりをして予定日を過ぎても
一向に出産しません。

光る君は時期的に
「やはり自分の子だ」と確信します。

新年になり、若紫はまだ子どもっぽく、
雛遊びをして遊んでいました。

源氏はあどけない若紫に、
「あなたが大人になったら妻問いする」と
約束をするのでした。

正妻の葵の上は相変わらず
冷たい態度で夫婦仲は良くありません。
源氏はついに強引に葵の上と
夫婦の契りを交わしてしまいます。

ついに、藤壺は男皇子を出産します。
皇子は光源氏にそっくりでした。

桐壺帝は皇子誕生を喜び、
光源氏に皇子の後ろ盾となるよう依頼します。

その年の7月、
藤壺は中宮(後宮の最高の地位)になりました。

其の七のポイント

・藤壺、源氏との密通の子を出産。
・源氏と葵の上の夫婦仲の悪さ。

(源氏物語の該当巻名:「紅葉賀」)

其の八

朧月夜は弘徽殿女御の妹(六の君)です。

朧月夜は、桜の宴に出席するため
御所に参内し、人々の様子を観察して
楽しんでいました。

朧月夜は4月に東宮に女御として
入内予定でしたが、
もっと違う恋を望んでいました。

藤壺の中宮も桜の宴に出席しており、
舞う光源氏の美しさに涙を流します。

宴が終わった後に
光源氏が御所内を歩いていると、
「朧月夜に似るものぞなき」
歌いながら歩く朧月夜に出会います。

2人は男女の契りを結び、
お互いの扇を交換して別れます。


源氏は女の素性が知りたく思い、
従者の惟光に探らせます。
弘徽殿女御の妹ということが判明します。

後日、藤の宴に招かれて
右大臣家を訪れた光る君は、
朧月夜と再会、2人は深い恋に落ちていくのでした。

その頃、
伊勢の斎宮として
六条御息所と前東宮との娘が立ち、
母・御息所も一緒に伊勢に下ることが決まります。

桐壺院は光源氏に
「六条御息所を軽々しく扱うな」と注意し、
光る君は久々に六条御息所を訪れるのです。

六条御息所は愛情とプライドの狭間で
苦しんでおり
、冷淡な態度をとってしまい、
光源氏はすぐ帰ってしまいます。

正妻・葵の上が懐妊し、
夫婦仲も改善の兆しが見られます。

六条御息所は葵の上の懐妊の知らせを聞き、
強い嫉妬の感情に襲われます。

其の八のポイント

・朧月夜と光源氏の出会いと恋
・正妻:葵の上の妊娠
・六条御息所の嫉妬心

(源氏物語の該当巻名:「花宴」「葵」)

2巻(其の九~其の十六)のあらすじ

⇒相関図はこちらから確認できます!

其の九

朧月夜は光源氏への恋のため
朱雀帝への入内を拒んでいました。

六条御息所は光源氏への執着のため
伊勢下向を迷っていました。

源氏は賀茂の葵祭の勅使に選ばれます。
懐妊中の葵の上は、気分転換に
禊の行列を見物しに行くことにしました。

ところが、六条御息所も見物に来ており、
葵の上の車の従者は六条御息所の車を
押しのけてしまいます。

従者同士の喧嘩となり、
車の部品も破壊され、
六条御息所のプライドはズタズタになります。

光源氏は葵の上に会釈をして、
六条御息所には気づきもせずに
通り過ぎるのでした。


朝顔の姫君は、
源氏の叔父・桃園式部卿宮の娘です。

朝顔の姫君は、この頃、
源氏からアプローチされていましたが、
男女の争いに関わりたくないと
結婚を拒否していました。

葵祭の当日は、
源氏は紫の君と一緒に見物に出かけます。

妊娠中の葵の上は、
体調不良に苦しむようになります。

プライドをズタズタにされ
嫉妬と屈辱に苦しむ六条御息所の
生霊が葵の上に憑いて苦しめていたのです。

葵の上は男の子を出産し、
夫婦仲も改善していましたが、
産後すぐ六条御息所の生霊に憑かれて
亡くなってしまいます。

其の九のポイント

・葵と六条御息所の車争い
・六条御息所の嫉妬心と生霊
・葵の上の出産と死
・朝顔の姫君の登場

(源氏物語の該当巻名:「葵」)

其の十

葵の上が亡くなったことで
光源氏と左大臣家は
深い悲しみの中にいました。

光源氏は六条御息所からの
お見舞いの文の返事に
「あまり深く思い詰めないように」
返します。

六条御息所は、
自分が生霊になったことを
源氏に知られたと悟り、
娘と一緒に伊勢へ下向することを
決心するのでした。

源氏が久しぶりに二条院に帰ると、
紫の君(若紫)が立派な女性に
成長していました。
14歳になっていました。

源氏は、我慢ができなくなり、
強引な形で紫の君と男女の契りを結んでしまいます。

紫の君は恐怖とショックで
涙を流して落ち込みます。

源氏は亥の子餅を準備させて
正式な結婚の儀式をし、
2人は夫婦となりました。


源氏は紫の上の父・兵部卿宮に、
結婚のことを打ち明けます。

六条御息所が
伊勢に出発する日が近くなり
源氏は御息所と娘が潔斎のため
こもっている野の宮を訪れます。


源氏は六条御息所の美しさを見て、
伊勢下向をひきとめますが、
御息所の意志は変わらず
2人は別れの言葉を交わすのでした。

兵部卿宮から娘の紫の上に文が届きます。
紫の上は、父に結婚の話をし、裳着の式の
準備を整えてくれた源氏に感謝し、
再び心を開くようになりました。

其の十のポイント

・六条御息所の伊勢下向
・光源氏と紫の上の結婚

(源氏物語の該当巻名:「葵」「賢木」)

其の十一

紫の上は裳着の式を行い、
髪型も変わり、すっかり大人の女性となります。

紫の上は、ますます藤壺の中宮に似てきました。

父・桐壺院は病に倒れており、
朱雀帝と源氏に遺言を残します。

桐壺院は、
「あなたにも源氏にも許してほしい」
という言葉を藤壺の中宮に残し
亡くなっていきます。

桐壺院は自分と源氏の不倫関係を
知っていたのでは?

と藤壺の中宮は途方に暮れます。

桐壺院が亡くなってから、
世間の風向きが変わります。

朱雀帝と右大臣家に栄華が訪れ
左大臣家と光源氏は
政治的に不利な立場となります。

ところが、源氏は
右大臣家の娘・朧月夜と
いまだに逢瀬を重ねていました。

朧月夜は尚侍として朱雀帝の
寵愛を得ていたのです。
源氏と朧月夜の関係は不倫でした。

ある日、源氏は
三条の実家に帰った藤壺の邸に入り込み、
再度の逢瀬を試みますが、
藤壺が体調不良になってしまったので
思いを遂げることはできませんでした。


藤壺の宮は自分と源氏との仲がバレたら
皇子の東宮も廃太子になってしまうと危惧し、
出家を決意します。


藤壺の宮は法華八講を開き、
その法要の際に髪を切り、出家し
源氏の目の前に尼になってしまいました。

源氏は藤壺が
世を捨てたことを深く悲しみます。

一方で朧月夜との逢瀬は継続しており、
ある夜、逢瀬の最中に
朧月夜の父・右大臣に
見つかってしまうのでした。

其の十一のポイント

・桐壺院の崩御
・右大臣家の栄華と左大臣家の凋落
・藤壺の中宮の出家
・源氏と朧月夜の関係の発覚

(源氏物語の該当巻名:「賢木」)

其の十二

朱雀帝の寵后である朧月夜と
源氏の不倫関係を
父・右大臣と姉・弘徽殿大后は
許しませんでした。

2人は源氏が帝への謀反の心があるとして
政治からの追放を企てます。

朱雀帝は優しい男であり、
朧月夜の不貞を強くは責めませんでした。


世間も光源氏の謀反の心を疑うようになり、
源氏が後ろ盾となっている東宮(藤壺の子)
を廃する話も出始めました。

紫の上の父・兵部卿宮も源氏から
距離を置くようになります。

源氏はある夜、亡き桐壺院の
麗景殿女御の邸を訪れます。

麗景殿女御の妹、
花散里は源氏の恋人の一人なのでした。

10代の頃の
源氏と花散里の出会いの
エピソードが回想として語られます。

源氏は麗景殿女御の後に
花散里の部屋を訪れ、会話を交わします。

それからしばらくして、
源氏は無位無官で須磨に
隠棲することを決意します。


源氏の追放を知った
藤壺、紫の上は深い悲しみに落ちるのでした。

其の十二のポイント

・右大臣家による光源氏追放計画
・朱雀帝の優しい人柄
・花散里の登場

(源氏物語の該当巻名:「賢木」「花散里」)

其の十三

源氏は荘園、牧場の証書や
蔵屋敷の鍵をすべて
紫の上の名義にかきかえました。

そして藤壺の中宮と亡き父院の
墓に挨拶をすると、須磨へと出発したのです。

須磨で源氏のわびしい生活が
始まった一方で、
都では朧月夜が、源氏への愛情と
朱雀帝の優しさの間で揺れて苦しんでいました。


しばらくして頭中将が須磨を訪れ、
1日ゆっくり語り合います。

ある日、源氏は、須磨から近い明石に
美しい姫君がいる
という話を聞き、
興味をひかれます。

姫君の父親(明石の入道)は
娘と源氏との結婚を
強く希望しているのでした。

また別の日に厄落としの儀式を
行っていると、
源氏一行は突然激しい嵐に見舞われます。

その日の夜、源氏の夢には
海龍王の使者と思われる
異形のものが登場し、
など 宮より召しあるには まいりたまはぬ
と源氏に語り掛けます。

源氏は、
海龍王が自分を呼んでいるのかと茫然とします。

其の十三のポイント

・光源氏の須磨での生活
・源氏、明石の君に興味を持つ。

(源氏物語の該当巻名:「須磨」)

其の十四

激しい嵐は数日間続き、
都でも嵐が吹いているという
報告が届きます。

嵐がおさまった朝、
源氏の夢には亡き桐壺院が登場し、
「住吉の神のおみちびきのまま 早くここを去るがよい」
と勧告をします。

その日、明石の入道が
舟で源氏を迎えにきます。

明石の入道の夢にも、
海龍王の使者が出てきて
源氏を迎えにいくようお告げを受けたという。

源氏は明石に移動します。

明石の入道は、娘の明石の君に
源氏との結婚を勧めます
が、
乗り気ではありません。

都では、右大臣が重病となり、
亡くなります。
朱雀帝は夢で亡き桐壺院に睨まれたことで
目の病を患っていました。

源氏は明石の君に文を書きますが、
気おくれして返事が書けず、
父の代筆の返事がかえってきます。

ある夜、
源氏はついに入道の手引きを得て
明石の君の部屋に入ります。

明石の君は誇り高い性格で
意地を張っていましたが、
源氏の言葉に心を開き、
2人は男女の契りを交わします。

源氏と明石の君は
仲睦まじい夫婦となります。

文で浮気の報告を受けた紫の上は、悲しみに沈みます。

やがて明石の君は源氏との子を妊娠。

都では朱雀帝の目の病が悪化し、
母・弘徽殿大后も病が悪化していました。

源氏を追放した報いととらえた朱雀帝は、
源氏を都に呼び戻すことを決意。

明石の源氏に、
「都に戻るように」との勅命が下ります。

其の十四のポイント

・光源氏、須磨から明石に移動。
・光源氏と明石の君の恋と妊娠。
・紫の上の嫉妬
・源氏、京に呼び戻される。

(源氏物語の該当巻名:「須磨」「明石」)

其の十五

源氏は須磨から都の二条院に帰還し、
紫の上と感動の再会を果たします。


源氏は権大納言となり、
朱雀帝の前に参内し、帰京の挨拶をします。

朧月夜と再会しますが
「主上が私を愛してくださるほどには
あなたは私を愛していない」

2人は別れの言葉を交わします。

朱雀帝は譲位して朱雀院になります。
東宮(藤壺と源氏の子)が元服をして
冷泉帝となります。

源氏は内大臣として
冷泉帝の摂政をつとめます。
頭中将の娘は冷泉帝に入内します。

やがて明石の君が出産、姫が誕生。

紫の上は姫誕生のことを聞き、
ショックを受けつつも受け入れます。

其の十五のポイント

・光源氏、都に帰還
・朧月夜との別れ
・冷泉帝の即位
・明石の君、姫を出産

(源氏物語の該当巻名:「明石」「澪標」)

其の十六

明石の君の産んだ姫の
五十日の祝いには源氏からたくさんの
祝いの品々が贈られました。

乳母は明石の君に上京を勧めます。

明石の君は住吉詣でに出かけますが
源氏一行の参詣と日程がかぶり、
その威光に気おされて帰ってしまいます。

御代代わりで
伊勢の斎宮が交代となり、
六条御息所も帰京します。

六条御息所は病気となり出家したと聞き、
源氏は見舞いに訪れます。

六条御息所は源氏に
娘・斎宮の宮の後見になるよう
お願いして亡くなります。

源氏は藤壺の中宮と相談して、
斎宮の宮を自分の養女として
冷泉帝に入内させることを決めます。


二条院が里邸となるので、
紫の上は妹ができたと喜びます。

冷泉帝と斎宮の宮は仲睦まじい夫婦となり、
頭中将の娘の女御は負けた形となります。

ある日、源氏は3年ぶりに
花散里の邸を訪問。

その道中に末摘花の
荒れ果てた邸を発見するのでした。

其の十六のポイント

・六条御息所の死去
・斎宮の宮が冷泉帝に入内
(後の秋好中宮)

(源氏物語の該当巻名:「澪標」「蓬生」)

3巻(其の十七~其の二十六)のあらすじ

⇒相関図はこちらから確認できます!

其の十七

末摘花は、源氏が須磨に流され、
訪問や生活支援が途絶えても
源氏のことを信じてずっと待っていました。

家計はかたむき邸は荒れ果てますが、
末摘花は父上との思い出のつまった
家財の売却を拒否し、引っ越しも許可しません。

そんな時に
いじわるな叔母の大弐の北の方が訪れ、
侍従と末摘花を女房として雇いたいと申し入れます。

源氏が須磨から帰還との
噂が入ってきますが
訪れが一向にありません。
末摘花は源氏を信じて一途に待ちます。

叔母は再度訪問し、
末摘花を連れて行こうとしますが
末摘花は強く拒否。

しかし腹心の侍従は
女房として筑紫に連れて行かれてしまいます。

源氏が須磨から帰って年が明け、
4月になりました。

源氏は花散里邸を訪問する途上に
末摘花の邸を発見し、その存在を思い出すのです。
5年ぶりの訪問でした。

末摘花は源氏と再会し、
涙を流して喜びます。

生活支援も再開され、
末摘花は再び幸運をつかみます。


侍従は遠方から末摘花の幸せを喜び、
叔母は悔しがるのでした。

其の十七のポイント

・源氏に放置された末摘花邸の困窮
・末摘花の一途で純粋な思い
・叔母の大弐の北の方の意地の悪さ
・再び幸運を手にした末摘花の喜び

(源氏物語の該当巻名:「蓬生」)

其の十八

源氏は、石山詣でに行く途中に
逢坂の関にて常陸介の一行と鉢合わせます。

常陸介の妻は空蝉の君
女車の中の空蝉は、
源氏との昔の恋を回想します。

空蝉は当時、相次いで両親を亡くしました。
桐壺帝へ入内の話もありましたが
後ろ盾がなくなり実現不可能となり、
伊予の介という受領の後妻におさまったのです。

伊予の介は任国に旅立ち、
空蝉は継子(紀伊の守と軒端荻)と
一緒に住んでいました。

ある日、片違えで17歳の源氏が訪問。
源氏は空蝉の話を聞いて興味を持ち、
夜に無理やり押し入って男女の契りを結びます。

空蝉は源氏の美しさに惹かれながらも、
人妻という立場から心を開きません。

源氏は空蝉の弟・小君を使って
アプローチを続けますが空蝉は拒絶します。

ある日、小君の手引きで再度邸を訪問。
空蝉と継娘の軒端荻が碁を打っている姿を
覗き見します。


その夜、源氏は空蝉の寝所に忍び寄りますが
源氏の影に気づいた空蝉は衣を一枚残して
逃げ去ります。

源氏は軒端荻と行きずりの関係を持つのでした。

そんな恋の事件があってから
12年ぶりに再会した空蝉と源氏は
和歌の贈答をし、昔の恋を懐かしむのでした。

其の十八のポイント

・光源氏と空蝉の恋物語
・空蝉のしっかりした貞操観念
・12年後に昔を懐かしむ源氏と空蝉

(源氏物語の該当巻名:「空蝉」「関屋」)

其の十九

源氏は二条院の隣に
二条東院の建設を開始しました。

花散里、末摘花、空蝉、明石の君を住まわせるためです。

冷泉帝の后である
梅壺の斎宮女御の後見は源氏。

弘徽殿女御の親は頭中将。

両者は冷泉帝の気をひくような
素晴らしい絵を競って集めていました。

藤壺の中宮の提案により、
人を集めて絵合わせの会が催されます。

さまざまな絵が評議された結果、
源氏が須磨で書いた絵が非常に見事だったので、
源氏方が勝利します。

源氏は桂に御堂を建立します。

その近くに空き家となった
大堰の山荘があり、
明石の入道が改修をさせ、明石の君を
住まわせようとしていることを知ります。

ついに明石の君が京に上洛します。

其の十九のポイント

・二条東院の建設が開始
・源氏と頭中将の敵対関係
・絵合わせの会の開催

(源氏物語の該当巻名:「絵合」)

其の二十

明石の君は明石を離れ、
京都・大堰の山荘に移ります。


源氏が明石の君に
会いにいくことを知った
紫の上は強い嫉妬を示します。

源氏は明石の君に再会。
幼い姫君にも初対面します。

2人は深く愛し合い、
源氏は数日間、大堰に滞在します。

二条院に帰宅した源氏は、
嫉妬する紫の上に明石の姫君のことを話し、
実母の身分が低いので、
紫の上に養母となることを提案します。

子ども好きの紫の上は喜んで
養母の役割を引き受けます。
明石の君も紫の上に預けることを容認。

紫の上は、母親と離れて
寂しがって泣く姫君の可愛らしい姿を見て、
明石の君の心境を思いやり、
必ず姫君を立派な女性に育てると決意
するのでした。

其の二十のポイント

・明石の君、京へ移住する。
・紫の上、明石の君に嫉妬する。
・紫の上、明石の姫君の養母となる。

(源氏物語の該当巻名:「松風」「薄雲」)

其の二十一

明石の姫君の袴着の式が
二条院で行われます。

紫の上は我が子と離れた明石の君の
辛い心情を思いやります。
明石の君は紫の上の寛大な人柄を敬います。

藤壺の中宮が病に倒れます。

藤壺は夢の中で
源氏との悲しい愛の歴史を振り返り、
女としての幸福を得られなかった人生を悲しむのでした。

源氏は見舞いに訪問しますが、
目の前で藤壺の中宮は崩御。

源氏は深く悲しみ、
「桜よいまは喪の色に咲け」と嘆くのです。

冷泉帝は藤壺の加持の僧から
自身が本当は藤壺と源氏の子であると
聞かされ、衝撃を受けます。

冷泉帝は源氏に帝の位につくことを
提案しますが、源氏は拒否します。

其の二十一のポイント

・明石の君の紫の上への敬意。
・紫の上の明石の君への思いやり。
・藤壺の中宮の死と源氏の悲しみ。
・冷泉帝が出生の秘密を知る。

(源氏物語の該当巻名:「薄雲」)

其の二十二

斎宮の女御は
二条院に里下がりをしました。

源氏は女御に春と秋、
どちらが好きか
を問うた後、
下心を見せて警戒されてしまいます。

源氏の朝顔の姫君への執着が再開します。

朝顔の姫君は
賀茂の斎院の任期を終えていました。
朝顔は嫉妬に苦しむ女の生き方を
拒絶
しており、
源氏のことは好きだが結婚をする気はありません。

紫の上は、
源氏が朝顔の姫君を正妻とするのでは
ないかと恐れます。

源氏は朝顔の姫君にハッキリとふられ、
紫の上に謝罪
をし、唯一の愛を誓います。

庭には雪が積もっており、
童女に雪だるまを作らせつつ、
源氏は今まで関わってきた女性の特徴を
紫の上に語ります。


その夜の源氏の夢に、亡き藤壺が登場し、
自分との関係を紫の上に語ったこと
について恨み言を述べるのでした。

其の二十二のポイント

・源氏と斎宮の女御の春秋優越論。
・源氏と朝顔の姫君の恋の終わり。
・源氏、過去の女君の特徴を語る。

(源氏物語の該当巻名:「薄雲」「朝顔」「少女」)

其の二十三

源氏と葵の上の息子・夕霧
頭中将の娘の雲居の雁
ともに左大臣家の大宮のもとで育った
幼馴染でした。

2人は非常に仲がよく、いつも一緒でした。

夕霧は12歳で元服します。
最初から高い官位を期待していましたが、
源氏は、学問をしっかりおさめてほしい
との気持ちから、夕霧に6位の袍を着せました。

夕霧は大学寮に入ったことで、
雲居の雁にあまり会えなくなってしまいます。


梅壺の斎宮の女御が中宮(秋好中宮
となり、後見役である源氏は太政大臣に昇進。

外戚政治に負けた頭中将は、
娘の雲居の雁を東宮妃にと考えます。
ところが、夕霧と雲居の雁が恋人同士だと
いう噂を聞き激怒。

夕霧はひきとめましたが、
雲居の雁は頭中将の家に引き取られ、
2人は一切会えなくなってしまいます。

ある日、内裏で五節の舞姫による
舞いが行われ、夕霧は
惟光(源氏の従者)の娘に恋心を抱きます。

源氏は、高齢の大宮に変わる
夕霧の母代わりとして
花散里を任命します。

その後、夕霧は従五位下に任ぜられ、
雲居の雁も夕霧の昇進の話を
人づてに聞いて喜ぶのでした。

其の二十三のポイント

・夕霧と雲居の雁の恋。
(幼馴染<筒井筒>の恋)
・惟光の娘(藤の典侍)と夕霧の恋。

(源氏物語の該当巻名:「少女」)

其の二十四

源氏は、大切な女性たちを
住まわせるための六条院を建設しました。

南東の町は春の園、紫の上が住みます。
北東の町は夏の園、花散里が住みます。
南西の町は秋の園、秋好中宮の里邸。
北西の町は冬の園、明石の君が住みます。

源氏は、若い頃に恋した
亡き夕顔を思い出し、その娘の行方に
思いを巡らせます。

夕顔には頭中将との間に
生まれた娘・玉鬘がいました。

玉鬘は、母夕顔が亡くなった後、
乳母とその夫について
筑紫に下っていたのでした。

美しく育った玉鬘は、
大夫の監という田舎者に求婚されます。

大夫の監との結婚に気持ちが乗らない
玉鬘は乳母子とともに筑紫を脱出します。

玉鬘一行は石清水八幡宮の椿市で
宿泊しますが、そこで右近に出会います。

右近は元夕顔の女房で、今は源氏に仕えていました。

右近は玉鬘のことを源氏に報告します。
源氏は衣装なども準備して、
玉鬘を六条院に引き取るのでした。

其の二十四のポイント

・玉鬘の美しい成長。
・玉鬘の筑紫脱出。
・源氏、玉鬘を六条院にひきとる。

(源氏物語の該当巻名:「少女」「玉鬘」)

其の二十五

源氏は玉鬘のことを紫の上に話します。

紫の上は夕顔の存在を初めて知り、少し嫉妬を見せます。

源氏は花散里に玉鬘の母代わりを任せます。

源氏と紫の上は、正月の衣装の準備をします。
玉鬘、紫の上、花散里、明石の姫君、
明石の君、末摘花、空蝉…

それぞれの女君に会う色合いの衣装を選びます。

玉鬘は六条院の男踏歌を観覧します。

内大臣(頭中将)の子息の姿を見て、
自分の存在を知ってもらいたいと思います。
(玉鬘は本当は夕顔と内大臣の娘)

春になり、紫の上は
春の宴を開催します。

女房たちを舟に乗せて池に浮かべ、
盛大な船楽と季の御読経が催されました。

玉鬘の美しさは評判となり、
源氏の弟の兵部卿宮
右大将・髭黒
内大臣の長男・頭中将などが
恋文を寄こします。

源氏は玉鬘を他の誰のものにも
したくないと抱き寄せますが、
拒絶されてしまいます。

玉鬘の本当の父親・内大臣は、
源氏が玉鬘を世話しているのを
うらやましく思い、
自分にもどこかに娘がいないかと探させます。

そして見つけ出したのが近江の君。
強烈なキャラの娘でした。

其の二十五のポイント

・多くの貴公子が玉鬘に求婚。
・光源氏の玉鬘への恋心。
・近江の君の登場。

(源氏物語の該当巻名:「玉鬘」「初音」「胡蝶」「蛍」)

其の二十六

源氏は養父でありながら、
自分が玉鬘への恋心を持ってしまったことに
苦慮
していました。

相変わらず髭黒大将と兵部卿宮は
熱心に玉鬘に恋文を贈っています。

源氏は、兵部卿宮の訪問にあわせて
玉鬘の部屋に蛍をたくさん放ち、
玉鬘の美しい姿を見せて
兵部卿宮の恋心をますます掻き立てます。

その頃、六条院の夏の町の馬場殿では、
騎射が開催されました。
源氏は花散里と男たちの人物批評をします。
その夜、源氏は夏の町に泊まりますが、
花散里とは別々に就寝します。

花散里は男女の関係はなくとも
源氏と心が結ばれているだけで
幸せなのだと語るのでした。

内大臣の娘、雲居の雁は、
夕霧との恋愛により宮仕えも
結婚もできずにいました。


内大臣が見つけ出してきた
近江の君は、早口で品も教養もない
田舎娘でした。


源氏は玉鬘に思いを寄せつつも
プラトニックを守っていました。

夏、野分(台風)が来た日のこと、
夕霧は御簾が巻き上がった瞬間に
紫の上の姿をすっかり見てしまいます。

その美しさに驚いた夕霧は、
紫の上に恋心を持ちます。

続いて玉鬘の部屋を覗いた夕霧は、
美しい玉鬘と源氏が寄り添っている光景を
目撃し、茫然とするのでした。

其の二十六のポイント

・兵部卿宮、蛍の光で
 玉鬘の姿を見てしまう。
・源氏と花散里の夫婦関係。
・夕霧、紫の上に恋心を抱く。

(源氏物語の該当巻名:「蛍」「常夏」「篝火」「野分」)

4巻(其の二十七~其の三十四)のあらすじ

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其の二十七

源氏は、紫の上に相談した結果、
玉鬘を冷泉帝のもとに尚侍として入内させる
ことを検討します。


玉鬘も帝の美しい姿を見て、
入内の前向きになるのでした。

源氏は内大臣を呼び出し、
玉鬘の素性を告白。
実の父である内大臣に
裳着の腰結いの役をお願いします。

玉鬘が内大臣の娘であるという
噂が広まり、求婚していた
貴公子たちも、玉鬘との
結婚のお願いを内大臣にするようになりました。

夕霧は、実の姉と思っていた
玉鬘が、姉ではないと知って
恋心をほのめまします
が、玉鬘に拒絶されます。

髭黒の右大将は、貴公子の中でも
特に玉鬘に執着していました。
女房に手引きを頼み込み、
ついに玉鬘の部屋に押し入ってしまいました。

其の二十七のポイント

・玉鬘、尚侍として入内予定。
・玉鬘、実父:内大臣と対面。
・髭黒、玉鬘の部屋に押し入る。

(源氏物語の該当巻名:「行幸」「藤袴」「真木柱」)

其の二十八

玉鬘は髭黒の右大将に無理やり
男女の契りを結ばされてしまいます。


それを知った源氏は、愕然としますが、
こうなった以上は正式に結婚させるしか
ないと儀式の準備をさせます。


玉鬘は無骨で無風流な髭黒の右大将が
気に入らず、悲しみに沈みます。

髭黒の右大将には既に妻がいますが、
妻は精神病を患っており、
急に人格が変わって髭黒に灰を投げつけて
しまうのでした。

髭黒の妻はついに、
父の式部卿宮はより実家にひきとられ別居。

妻の実家についていく
娘の真木柱は、
悲しみの気持ちを和歌を詠み、
住み慣れた家の柱に差し込むのでした。

髭黒の右大将は、沈み込む玉鬘を
心配して、気晴らしに尚侍としての
宮仕えを許可します。

出仕した玉鬘は冷泉帝から気に入られてしまいます。
妻を帝に盗られると恐れた髭黒は、
玉鬘を自邸に連れて行きます。

玉鬘は、髭黒の妻が病気で
大変だったことを知り、同情します。


今後は宮仕えはせず、髭黒の妻として、
息子たちの継母として生活していくことを
決意するのでした。

其の二十八のポイント

・玉鬘、髭黒と強引に結婚。
・髭黒の妻の精神病状態。
・髭黒の娘:真木柱の悲しみ。
・玉鬘の心境の変化。

(源氏物語の該当巻名:「真木柱」)

其の二十九

玉鬘と髭黒の間には男の子が生まれました。

玉鬘、髭黒は生まれた子どもと
2人の継子とともに、落ち着いた生活を
送っています。

明石の姫君は11歳で裳着の式を迎え、
夕霧は18歳になっていました。

近江の君は貴族社会に嫌気がさして、
町へ戻ってしまいます。

夕霧は雲居の雁のことが忘れられず、
雲居の雁もまだ独身でした。

雲居の雁は夕霧の縁談の話を聞いて
ショックを受け、なぜ自分を盗み出して
くれないのかと恨みます。


内大臣は長年、夕霧をいじめすぎていた
と反省し、藤の宴に招き、
夕霧と雲居の雁の結婚を許します。

夕霧と雲居の雁は結ばれ、
三条の祖母(大宮)の住居であった
屋敷を手入れして幸福な新婚生活を
送るのでした。

其の二十九のポイント

・玉鬘の穏やかな結婚生活
・夕霧と雲居の雁の結婚

(源氏物語の該当巻名:「梅枝」「藤裏葉」)

其の三十

明石の姫君が東宮のもとに
入内することが決まります。

その祝いとして、六条院では
薫物合わせが催されました。

紫の上、明石の君、花散里、
朝顔の君が香の調合を競いました。

明石の姫君は裳着の式を終え、
養母・紫の上との別れを惜しみます。

夕霧は、雲居の雁との結婚後も、
五節の舞姫のことを忘れかねていました。

明石の姫君の入内の日がきて、
明石の君はようやく娘との対面がかないます。

紫の上も初めて
明石の君と対面するのでした。
2人はお互いの素晴らしさを認め、
紫の上は明石の君に姫君を返すのでした。

源氏は40歳になり、准太上天皇という
人臣としての最高の位を得ます。

そして冷泉帝と朱雀院がそろって
六条院に行幸するのでした。

朱雀院は出家を決意しますが、
娘の女三の宮の縁談がまだ決まっていない
ことが心残り
でした。

夕霧、柏木(太政大臣<頭中将>の息子)
も女三の宮に興味を示しますが、
源氏に女三の宮降嫁の話が舞い込みます。

女三の宮は藤壺と血縁なので、
似ているのではないかと期待した源氏は、
女三の宮との結婚を決めます。

紫の上は女三の宮が正妻となることに
ショックを受けながらも、
自ら指示を出して女三の宮降嫁の準備をします。

紫の上は、源氏が誰か女性の面影を探して
女三の宮との結婚を決めたことを見抜き、
深い悲しみに沈みます。

其の三十のポイント

・明石の姫君の東宮入内。
・明石の君と紫の上の初対面。
・源氏、准太上天皇となる。
・源氏、女三の宮との縁談。
・紫の上の深い悲しみ。

(源氏物語の該当巻名:「梅枝」「藤裏葉」「若菜上」)

其の三十一

源氏は女三の宮と結婚します。

女三の宮は正妻となり、
紫の上より格上の立場となりました。

女三の宮は13、14歳で若く愛らしいが、
恥じらいのない子どもっぽい女性で
藤壺とは全く似ていないのでした。

源氏は紫の上の素晴らしさを再認識し、
以前にもまして紫の上を愛するのです。

放置気味の女三の宮でしたが、
おっとりしていて、あまり気にしていません。

朱雀院の尚侍であった朧月夜は、
朱雀院の出家にともない実家に帰っていました。

源氏は朧月夜に会いに行きます。
朧月夜は拒みますが、結局
愛し合って一夜をすごしてしまうのでした。

東宮に入内をした明石の姫君が
懐妊し、六条院に宿下がりします。

紫の上は、明石の姫君に会うついでに
女三の宮に初めて対面します。


やがて源氏の四十賀が催され、
夕霧と柏木は六条院で舞を舞います。

柏木は、以前から女三の宮に求婚しており、
いまだに忘れられずにいました。


(若菜上)

其の三十一のポイント

・源氏と女三の宮の結婚。
・紫の上の傷心。
・源氏と朧月夜の逢瀬。
・柏木、女三の宮を忘れられない。

(源氏物語の該当巻名:「若菜上」)

其の三十二

明石の姫君は産み月が近くなり、
明石の君がいる冬の御殿で過ごしていました。

そこで、祖母の尼君から、
自分の本当の母が
明石の君であることを
聞かされます。

3人で和歌を詠みあい、過去を懐かしむのでした。

そして明石の姫君は、
男皇子を出産します。


紫の上は孫を可愛がり、
明石の君もサポートをします。

祖父にあたる明石の入道は、
宿願が叶ったといい、
深い山に修行に入ってしまいます。

ある日、六条院の庭で
夕霧や柏木などの参加する蹴鞠が行われました。

女三の宮の寝殿の近くで休憩しているときに
その事件は起こります。

女三の宮の飼っている猫同士が
喧嘩を始め、寝殿の御簾を
巻き上げてしまったのです。

柏木は女三の宮の姿をすっかり見てしまい、
その美しさに心を奪われ、

恋に焦がれて何度も女三の宮に
文を贈るようになります。

女三の宮は、端近に立っていて
柏木に姿を見られたことを知り、
源氏に怒られてしまうと恐れるのでした。

其の三十二のポイント

・明石の姫君の男皇子出産。
・明石の姫君、自身の出生を知る。
・柏木、女三の宮の姿を見る。

(源氏物語の該当巻名:「若菜上」)

其の三十三

柏木は、女三の宮の姿を見てから
何をしても心ここにあらず。

ついには女三の宮が飼っている猫を
恋しい人の身代わりとして入手して、
自分の邸で可愛がるようになります。

冷泉帝は譲位を決めます。
太政大臣(頭中将)は隠居を決意。
髭黒の大将は右大臣に昇進し、
夕霧は大納言になりました。

東宮が帝となり、
新東宮は、明石の姫君が
生んだ男皇子が立ちました。

明石の姫君は、新東宮に続いて
二の宮、三の宮、女一の宮と
次々と出産しました。

紫の上は出家を願い出ますが、
源氏は自分より先に出家することを許しません。


源氏は気分転換に住吉の社へ
願ほどきに行くことを紫の上に提案します。

住吉詣でには、源氏の他に
紫の上、明石の姫君、明石の君、
明石の尼君が参加しました。

女三の宮は父朱雀院の五十の賀で
父に対面して琴をひくことになります。

五十の賀の演奏の前に、
六条院で女君たちが一堂に会し、
合奏が催されます。

紫の上は和琴、
明石の姫君は箏の琴、
明石の君は琵琶、
女三の宮は琴(きん)の琴を演奏します。

紫の上はやはり女三の宮への
嫉妬の心が抑えられず、
出家を再度願い出ますが源氏は許しません。

紫の上は心労がつのり、
ついに病に倒れてしまうのでした。

其の三十三のポイント

・柏木、女三の宮に恋い焦がれる。
・明石の姫君の皇子が東宮となる。
・六条院の女楽。
・紫の上の出家願望と発病。

(源氏物語の該当巻名:「若菜下」)

其の三十四

紫の上の病状は重く、
源氏は看病にかかりきりとなります。


紫の上はまた出家を願いますが、
源氏は

「あなたに見捨てられたら生きていけない」
と許可しません。


柏木は朱雀院の
二の宮(落葉の宮)と結婚しますが、
気に入らず、女三の宮との逢瀬を望みます。

ついに柏木は女房の小侍従に頼み込み、
女三の宮の寝所に入り込み、
強引に男女の契りを結んでしまう
のでした。

女三の宮は深く落ち込み、
源氏に悟られるのを恐れます。

紫の上は一時危篤に陥りますが、
女の童に六条御息所の死霊が乗り移り、
恨み言を述べて去っていった後に蘇生します。

紫の上は出家ではないが、
病が軽くなるよう仏の戒を受けます。

柏木と女三の宮は再び密通をし、
ついに女三の宮は柏木の子を妊娠します。


源氏は、女三の宮の部屋で柏木からの文を
見てしまい、不倫の事実を知ります。
源氏にバレたと知った女三の宮は深く嘆くのでした。

其の三十四のポイント

・柏木と女三の宮の密通と妊娠。
・紫の上の絶命と蘇生。
・六条御息所の死霊の登場。

(源氏物語の該当巻名:「若菜下」)

5巻(其の三十五~其の四十二)のあらすじ

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其の三十五

源氏は、正妻・女三の宮の裏切りと
密通した柏木に対して怒りの感情を持ちます。

そして、昔の父・桐壺帝と
現在の自分が同じ立場であると気づくのでした。
(源氏は桐壺帝の后・藤壺と密通)

柏木は源氏にバレたと知り、恐怖に震え、
女三の宮も源氏を恐れます。
源氏は女三の宮に冷たく接するようになります。

朧月夜は朱雀院の後を追って出家。

出家を許されない紫の上は
朧月夜をうらやましく思います。

紫の上の体調は少しずつ回復。

朱雀院の五十の賀の試楽が
六条院で開催され、
紫の上や玉鬘も観覧します。

柏木は試楽の運営に関わります。

その後の酒宴にも呼ばれますが、
源氏に皮肉を言われ、
睨みつけられたことで
柏木は体調不良となり、重病になってしまいます。

柏木は女三の宮との密通を後悔しつつも、
やはり執着を捨てられずに文を贈るのでした。

ついに女三の宮は産み月を迎え、
男子(薫)を出産。

其の三十五のポイント

・女三の宮と柏木、源氏へ恐怖心を抱く。
・柏木、重病に倒れる。
・女三の宮、薫を出産。

(源氏物語の該当巻名:「若菜下」「柏木」)

其の三十六

薫は、表向きには源氏と女三の宮の子。
出産に際してたくさんの贈り物がおくられ、
盛大に祝われました。

女三の宮は産後の体調が優れず、
出家を望みますが、
源氏は美しい女三の宮を尼にするのを
惜しく思い、許可しません。

女三の宮は父・朱雀院に出家をお願いします。
朱雀院はよほど辛いことがあったのだと
娘の出家を許すのでした。

女三の宮の出家後、
加持の祈祷で物の怪が人に乗り移ります。
それは六条御息所の死霊でした。

六条御息所の死霊が女三の宮に憑いて
出家に追い込んだことが判明します。

柏木は夕霧に妻(二の宮)の世話を託し、
亡くなってしまいます。


女三の宮は我が子を拒絶し、
仏道に専念する生活を送っていました。

源氏は女三の宮の裏切りが
自らの罪の因果応報であると認識します。

そして無垢な薫を我が子として愛おしみます。
源氏は、薫を愛することで
自分の罪も救済されるだろうと感じたのです。


夕霧は亡き柏木の妻・二の宮を
頻繁に見舞い、雲居の雁はその下心を察して
嫉妬します。

(柏木)

其の三十六のポイント

・女三の宮の出家。
・柏木の死。
・光源氏、因果応報に気づく。

(源氏物語の該当巻名:「柏木」)

其の三十七

薫は可愛らしく成長していきますが、
女三の宮は朱雀院と同じ山寺にこもることを
願うようになります。

夕霧は相変わらず未亡人・二の宮を
見舞っています。

ある夜、二の宮の母から柏木が
大切にしていた横笛を形見としてもらいます。

家の帰ると嫉妬した雲居の雁が
冷淡な態度をとります。
夕霧は所帯じみた我が家よりも、
風雅な二の宮に気持ちを惹かれる
のでした。

その夜、夕霧の夢に柏木が出てきて
「この笛は子孫に末永く伝えたい」と
希望の述べるのでした。

六条院では、明石の姫君の皇子
三の宮(匂宮)が可愛らしく元気に成長しており
夕霧になついています。

そこで夕霧は、薫の愛らしい姿も見るのでした。

夕霧は、二の宮の母からもらった横笛を、
夢の内容を伝えつつ源氏に託します。


その後、女三の宮の持仏開眼の法要を催しが
盛大に開かれます。

秋になり、
源氏と女三の宮は鈴虫の声を聞きながら
和歌を詠みあいます。

源氏は女三の宮が先に出家したことに
恨み言を並べ、
女三の宮はこの世を厭わしく思うのでした。

その夜、貴族たちは冷泉院の邸に集まり、
月見の宴が開かれました。
源氏と夕霧は満月を見ながら感傷にひたります。

(横笛、鈴虫)

其の三十七のポイント

・夕霧、二の宮(落葉の宮)に恋をする。
・夕霧、柏木の遺品の笛を源氏に託す。

(源氏物語の該当巻名:「横笛」「鈴虫」)

其の三十八

雲居の雁は夫・夕霧の
浮気に苦しんでいました。

夕霧は惟光の娘・藤の典侍以外には
今まで一人も愛人を持っていなかったからです。

夕霧は頻繁に二の宮を訪れます。

ついに御簾の中に入ってしまいますが、
二の宮は夕霧の行動を屈辱に感じ、決して
受け入れようとしません。


夕霧は朝方、諦めて邸を去るのでした。

夕霧は二の宮に文を贈りますが、
二の宮は夕霧に嫌悪感を抱いて見ようとしません。

二の宮の母御息所は病気を患っていました。
娘が夕霧にとって一夜の相手になって
しまったと思い込み、
体調を悪化させてしまいます。

母御息所は夕霧に文を贈りますが
嫉妬した雲居の雁に取り上げられてしまいます。


なかなか夕霧から返事が来ないことに
絶望した母御息所は亡くなってしまうのでした。

(夕霧)

其の三十八のポイント

・夕霧、二の宮に執拗に求婚する。
・雲居の雁、嫉妬する。
・二の宮の母御息所の死。

(源氏物語の該当巻名:「夕霧」)

其の三十九

母御息所の訃報を聞き、
夕霧は弔問に訪れます。

二の宮は母の死を深く悲しみ、
出家をしたいと考えます。

夕霧は文を贈ったり、邸を訪問したり
しますが、二の宮に拒否されてしまいます。

源氏は息子・夕霧の浮気沙汰を案じ、
紫の上に語って聞かせます。

紫の上は、
「女ほど生きるのが難しいものはない」
と感じるのでした。

二の宮は、
夕霧の関係が噂になってしまい、
父朱雀院からも出家を許されません。

二の宮は、
小野から、夕霧が改修した一条の邸に戻り、
世間的には夕霧と結婚したことになります。

夕霧は無理やり押し入ろうとしますが、
二の宮は塗籠に引きこもり、扉を開けません。

夕霧は六条院に参上して、
母代わりの花散里に浮気沙汰の弁明をします。

その後、三条の実家に帰宅しますが、
嫉妬した雲居の雁が怒っており、夕霧はなだめます。

二の宮に通う夕霧は、ついに
押し入ることに成功し二の宮と契るのでした。

雲居の雁は夕霧の裏切りが許せず、
子どもを置いて実家に帰ってしまいます。

夕霧は呼び戻そうとしますが、口論となり、
別居の話がでます。

雲居の雁の父=柏木の父(頭中将)は、
トラブルを引き起こした二の宮を恨みます。

紫の上は、雲居の雁がとがめたり
怒ったり自由な感情を持つのは当然だと感じます。

其の三十九のポイント

・夕霧と二の宮(落葉の宮)の結婚。
・夕霧と雲居の雁の夫婦喧嘩。
・紫の上、女性の生き方について考える。

(源氏物語の該当巻名:「夕霧」)

其の四十

紫の上は重病を患って以来、
どこがひどいともなく
何となく体調が悪い日々が続いていました。

紫の上は、またもや源氏に
出家を願い出ますが、
源氏は自分より先に紫の上が
出家することを許可しません。

紫の上はせめて、
千部の法華経供養会を二条院で行いたいと
発案します。
供養会には花散里や明石の君も参列し、
盛大なものとなりました。

紫の上は供養会にて、
明石の君、花散里に今生の別れの歌を詠むのでした。

夏の暑さに紫の上の体はますます
弱っていき、明石の中宮もお見舞いのために
二条院に里下がりをします。

紫の上は幼い匂宮に
「自分が死んだら二条院の庭の紅梅と
桜を忘れずに眺めるように」

遺言をします。

紫の上は、
「わたくしはやっぱり幸せだったわ」
と明石の中宮に語ります。

紫の上は、久しぶりに起き上がって
源氏と和歌を贈答しますが、
体調が急変し、とうとう亡くなってしまいます。

源氏は深く悲しみ、紫の上の出家の願いを
叶えてあげられなかったことを後悔します。

夕霧も泣いて悲しみ、
せめてもう一度、憧れの女性の顔が見たいと
紫の上の美しい死に顔を見るのでした。

源氏は悲しみ以外の感情を全てうしない、
その心は枯れてしまったのでした。

其の四十のポイント

・紫の上の出家願望
・紫の上の死
・光源氏の悲しみ

(源氏物語の該当巻名:「御法」)

其の四十一

紫の上の葬儀がとりおこなわれます。

光源氏は悲しみにより
魂がぬけたようになってしまいました。

先の大臣の君(頭中将)の弔問があり、
亡き正妻・葵の上ことを回想します。

秋好中宮からも見舞いの文が届き、
源氏は無常の世を嘆く内容の返歌をします。

源氏の弟・兵部卿宮の弔問を受け、
玉鬘や髭黒のことを回想します。

冬になり雪が降ると、
紫の上と一緒に積雪した庭を
見たことを思い出します。

朝顔の斎院に嫉妬する紫の上を
回想し、源氏は後悔します。

久々に女三の宮のもとを訪れますが、
配慮のない和歌を詠まれ、
源氏はつい紫の上と比較してしまいます。

明石の君のもとを訪れ、
会話を重ねながら過去を回想します。

源氏は、
なぜ自分は幸せになれなかったのか?
なぜ紫の上という
たった一人の最愛の女性を
幸福なまま死なせられなかったか?
自問するのでした。

其の四十一のポイント

・源氏、紫の上を追悼
・源氏、過去を後悔

(源氏物語の該当巻名:「幻」)

其の四十二

源氏は、自分の人生を振り返ります。

藤壺と初めて会った日のこと。
悲しい恋。
藤壺の形代として妻にした紫の上。

藤壺の代わりではなく、
紫の上自身を愛していたのだ
源氏は自分の人生を結論づけます。

花散里から源氏に夏の衣装が届き、
和歌の贈答をします。

賀茂祭がきて、
源氏は葵の上と六条御息所の車争いを
思い出します。

源氏はすっかりやつれてしまいます。

夕霧は、
父が紫の上など女人を愛したように
自分も深く愛していけるだろうかと自問し、
喧嘩中の雲居の雁とやり直すことを決意。

源氏は紫の上を亡くして
二度目の秋を迎えます。
今まで女人と遣り取りした
手紙を燃やすなど
身辺整理をし始めます。

年末の法宴で、
源氏はひさしぶりに人々の前に
姿を見せました。
その姿は、若い頃よりもさらに豊かな
輝きに満ちて美しかったのです。


どのくらい年月がたったか、
明石の君が空を眺めると、
山に美しい雲がかかっていました。

その山は、
光源氏が出家してこもっている山でした。

明石の君は源氏が崩御したことを悟り、
ショックで倒れてしまうのでした。

其の四十二のポイント

・源氏、紫の上を追悼
・源氏、出家を決意。
・源氏の死。

(源氏物語の該当巻名:「幻」「雲隠」)

6巻(其の四十三~其の四十八)のあらすじ【宇治十帖】

⇒相関図はこちらから確認できます!

其の四十三

匂兵部卿の宮(匂宮)は、
明石の中宮の皇子・三の宮。

薫の中将は、
源氏と女三の宮の息子。

2人とも立派な青年に成長していました。

夕霧は右大臣、
一の姫は東宮妃に入内しています。

夕霧と結婚した落葉の宮は
夕霧の側室の藤の典侍の
間に生まれた六の君を養育していました。

六の君はとても美しく
気立ても良いので、
夕霧は、六の君を匂宮か薫と
結婚させようと思っています。

髭黒の娘・真木柱は
前夫・蛍兵部卿宮の死後は
紅梅の大納言(頭中将の息子)
に嫁ぎ、人並の幸せを得ています。

紅梅の大納言は二の姫君を
匂宮と結婚させたいと思っています。

薫は自分が
源氏の子でないことに気づいており、
世の中を憂きものととらえる性質で、
出家願望が強く、いつも僧の説法を聞いていました。


匂宮は光源氏のように多くの女性を
愛したいという願望を持っています。

その中でただ一人、紫の上のような
最愛の人を見つけたいと思っています。

匂宮は、他人の言いなりになる
結婚はしたくない
自由な気質の青年です。

(匂兵部卿宮、紅梅)

其の四十三のポイント

・匂宮、薫の成長した姿
・それぞれの個性ある性格

(源氏物語の該当巻名:「匂兵部卿宮」「紅梅」)

其の四十四

薫は、自分の出自について悩み、
出家したいと真剣に悩んでいました。


ある日、冷泉院のもとを訪れた際に、
薫は阿闍梨(僧)から
宇治の八の宮の話を聞きます。

八の宮は光源氏とは兄弟の関係です。
東宮に立ったことはあるが、
即位できず、
最愛の妻にも先立たれ、
現在は2人の娘とともに俗聖として
静かに暮らしているのでした。

薫は八の宮の俗聖としての生活を
理想的に思い、八の宮を師として
文通を交わしたり、通ったりするようになります。

匂宮は恋に現を抜かしていましたが、
薫は恋愛には興味がありません。
しかし八の宮の娘たちのことを
気にかけるようになります。

ある日、薫は
娘の大君と中の君が琴を合奏している
姿を垣間見して、その美しさに心惹かれます。

薫が御簾ごしの大君に挨拶をしていると
弁の君という老女に声をかけられ会話をします。

弁の君は昔、柏木の乳母をつとめており、
女三の宮との不倫関係についても
知っているのでした。

薫は、弁の尼の昔話から、
自分が柏木と女三の宮の子であると
真実を知ります。


薫は大君に恋心を抱き、
文を贈るようになります。


匂宮は、薫から宇治の姉妹の話を聞き、
自分も見てみたいと言い出します。

其の四十四のポイント

・薫、宇治八の宮のもとへ通う。
・薫、自身の出生の秘密を知る。
・薫、大君に恋心を持つ。

(源氏物語の該当巻名:「橋姫」)

其の四十五

匂宮は初瀬詣での帰りに、
宇治にある夕霧の別荘に宿泊しました。
そこへ薫も合流します。

匂宮は姉妹に文を書きます。
八の宮に勧められ、中の君が返事を書きます。

薫は中納言に昇進。

八の宮は娘の将来を案じ、
自分の亡きあとは、
娘の世話をしてくれるよう薫にお願いします。

八の宮は娘たちに
「生涯を独身で通す覚悟を」
と遺言を残し、
阿闍梨のもとで山に籠った後、
病気になって亡くなってしまいます。

法事などは全て
薫が指図して執り行われました。

匂宮は中の君に執心しており、
薫に仲介を依頼します。

薫は大君に
匂宮と中の君との縁談を相談し、
ついでに自分の大君への恋心をほのめかします。

大君は薫の気持ちを拒絶し、
妹・中の君と薫を結婚させようとします。

恋心を抑えられない薫は、
大君の御簾の内に押し入ってしまいます。

其の四十五のポイント

・宇治八の宮の死。
・匂宮、中の君に恋心を持つ。
・薫、大君に言い寄る。

(源氏物語の該当巻名:「椎本」「総角」)

其の四十六

薫は大君をかき抱きますが、
何事もなく朝を迎えます。

大君は自分が病弱であるのを気にして、
若く健康な中の君こそ
薫にふさわしいと考えます。

八の宮の喪が明けて、
姉妹は喪服を脱ぎますが、
大君は訪問した薫に逢おうとはしません。

大君は、あくまで中の君と薫を結婚させようとします。

その夜、薫は姉妹の寝所に忍び寄ります。
大君は薫の気配に気づいて、寝所を脱出。

薫は中の君だと知り、
紳士的に会話のみ交わして
朝を迎える
のでした。

匂宮の中の君への恋も継続しており、
薫に仲介をお願いし続けています。

ある夜、薫は、
「中の君の寝所に行く前に大君に挨拶がしたい」
と嘘をつきます。

薫が大君と話している間に
匂宮が中の君の寝所に忍び入り、
男女の契りを結んでしまいます。

薫は大君の衣の裾をとらえ、
変わらぬ恋心を訴えますが、
大君に拒絶されます。

其の四十六のポイント

・大君、薫を拒絶し続ける。
・匂宮、中の君と男女の仲となる。

(源氏物語の該当巻名:「総角」)

其の四十七

匂宮は中の君をすっかり気に入り、
二日目も中の君のもとに通います。


母親の明石の中宮に
身分にふさわしからぬ忍び歩きを
禁じられますが、
三日目の夜も中の君を訪れ、
婚礼の儀式である三日夜の祝いを行います。

しかし、匂宮はそれ以来
宇治への外出を禁じられ、
中の君に会いにいけなくなってしまいます。

さらに匂宮は左大臣(夕霧)の
娘・六の君との結婚が決まります。


大君は中の君の身を案じ、
心労から病気になってしまいました。

薫が見舞いにかけつけますが、
大君は亡くなってしまうのです。

薫はひどく落ち込みます。

明石の中宮は匂宮の気持ちの
強さを知り、中の君を
二条院に住まわせることを許可します。


中の君が京へ引っ越す行列を見る
一人の女性がいました。
それは、浮舟です。

(総角、早蕨)

其の四十七のポイント

・匂宮、中の君と結婚する。
・大君、病気になり死去。

(源氏物語の該当巻名:「総角」「早蕨」)

其の四十八

匂宮と中の君は二条院で
一緒に暮らし始めます。


夕霧は、薫に娘の六の君との
結婚を打診しますが、薫は断ります。

帝は、藤壺の女御腹の内親王
女二の宮との縁談を薫に持ち掛けます。
は、断れずに女二の宮との結婚を承諾します。

匂宮は六の君との結婚を承諾。
中の君はショックを受けます。

薫はいまだに大君が忘れられず、
中の君を懐かしく感じ、
御簾の中に無理やり押し入り
ますが、懐妊の印の御腹帯を見て自制します。

匂宮は六の君を気に入りますが、
今までと同様、中の君も愛します。

ある日、薫は中の君から、
大君にそっくりの女性(浮舟)の話を聞きます。

浮舟は亡き八の宮の脇腹の娘であり、
大君、中の君の妹です。

薫は宇治の弁の尼から、
浮舟の母が大君の母の姪であると聞き、
それなら似ているはずだとさらに興味を持ちます。

浮舟は義理の父(常陸の守)についていき、
常陸国に住んでいましたが、
父の任期が切れて上京したのです。

薫は権大納言と右大将に昇進。
中の君は匂宮との間に男の子を出産します。

中の君の出産は
多くの人に祝福を受け、
妻としての立場は安泰なものとなりました。

薫は宇治の弁の尼の住まいにて、
大君そっくりの浮舟の姿を見て、
浮舟の母親に文を贈ります。

母親は喜びますが、
浮舟の結婚相手はもう左近の少将に
決まっているのでした。

ところが、左近の少将は
浮舟が常陸の守の実の娘ではないと知り、
「それでは遺産が手に入らない」
浮舟との縁談を断ります。

さらに常陸の守は実の娘でない浮舟を
あまり可愛がっていません。

浮舟の母は、中の君と連絡をとり、
浮舟を二条院で預かってもらうことにしました。

其の四十八のポイント

・薫、女二の宮と結婚。
・匂宮、夕霧の六の君と結婚。
・中の君、男子を出産。
・薫、浮舟を知り、恋心を持つ。
・浮舟、二条院へ移る。

(源氏物語の該当巻名:「早蕨」「宿木」「東屋」)

7巻(其の四十九~其の五十三)のあらすじ【宇治十帖】

⇒相関図はこちらから確認できます!

其の四十九

浮舟は、二条院の中の君のもとで
生活を始めます。

浮舟の母は、薫と浮舟を
結婚させたいと思っています。

ところが、ある日、
中の君が髪を洗っている間に、
匂宮は浮舟の姿を発見して
抱き寄せてしまいます。

浮舟の母は、
「匂宮が浮舟を気に入っている」
と聞いて、浮舟を別の邸に移します。

薫は、邸を訪れて浮舟の部屋に入り込み、
男女の関係を持ちます。


夜が明けると、
薫は浮舟を宇治に作った
新しい寝殿に移しました。

薫は浮舟を大君と比べてしまい、
嗜みなどが少し不足している
と感じます。

(東屋)

其の四十九のポイント

・匂宮、浮舟に興味を持つ。
・薫、浮舟と男女の関係となる。
・浮舟、宇治の寝殿に移る。

(源氏物語の該当巻名:「東屋」)

其の五十

匂宮は、浮舟が二条院から
いなくなったことを残念がります。

匂宮は、浮舟の素性や行先を教えない
中の君を恨みます。

薫は、浮舟を宇治の御殿に置き去りして、
自分だけ京に戻ります。

浮舟は薫が世話してくれることを
ありがたく思う一方で、
情熱的な匂宮を忘れられないでいました。

ある日、匂宮は、
浮舟の母親から中の君に届いた手紙を見ます。

手紙の内容から、
匂宮は浮舟が薫にかくまわれて
宇治にいることを知りました。

匂宮は身をやつして馬に乗り、
宇治へ向かいました。

匂宮は薫のふりをして
浮舟の寝所に入り、
男女の契りを結んでしまいます。

浮舟は明るく飾らない
匂宮の人柄に惹かれていくのでした。


匂宮は
浮舟と自分の関係が薫に知れる前に
浮舟をどこかに隠そうと考えます。

薫は浮舟を
京に作っている新しい邸に移そうとします。

浮舟は匂宮と薫の間で
心が揺れ動き、悩むのでした。

其の五十のポイント

・匂宮、浮舟と男女の関係になる。
・浮舟、匂宮に惹かれる。
・浮舟、薫と匂宮の愛の板挟みに。

(源氏物語の該当巻名:「浮舟」)

其の五十一

匂宮は浮舟を
宇治川の対岸にある家に連れていき、
1日中2人で過ごします。

浮舟は匂宮を愛しながらも、
薫への気持ちも捨てることができません。

薫は、ついに匂宮と浮舟が
愛人関係にあることに気づき、
浮舟の流されやすい人柄にガッカリします。

浮舟は薫が事実を知ったことを悟り、
悲しみます。

おつきの女房に
どちらか一人を選ぶように忠告されますが、
自分の意志で選ぶことができません。

浮舟は悩みに悩んだ末に、
ついに宇治川に身を投げてしまいました。

其の五十一のポイント

・匂宮の浮舟への熱い愛情。
・薫、浮舟の浮気を知る。
・浮舟、宇治川に入水。

(源氏物語の該当巻名:「浮舟」)

其の五十二

浮舟が宇治に入水した翌朝、
乳母や女房は周辺を探しますが
浮舟は見つかりません。

母親にも浮舟の話は伝わり、
「浮舟が亡くなった」と騒ぎになります。

薫と匂宮も浮舟が死んだと聞き、
深く悲しむ一方で
お互いにお互いが浮舟を隠したのでは
ないかと疑っていました。

薫は、浮舟の異父弟(小君)を
慰みにそばに置いて仕えさせます。

浮舟は実はまだ生きていました。
川辺に流れついたところを、
横川の僧都に助けられていたのです。

僧都の妹(庵主)は
娘を亡くしたばかりであり、
浮舟を娘の生まれ変わりとして世話していました。

浮舟は比叡山のふもと小野の里の
庵室で生活を始めました。

其の五十二のポイント

・「浮舟が死んだ」と噂が広がる。
・浮舟は横川の僧都に助けられる。

(源氏物語の該当巻名:「蜻蛉」「手習」)

其の五十三

僧都の妹の亡き娘は、
生前は中将という貴族と結婚していました。

中将は、庵室に挨拶に訪れた際に、
浮舟の姿を見かけて興味を持ってしまいます。

中将は浮舟に熱心に求婚します。
しかし、浮舟はもう恋愛はこりごりです。

誰かが夢の中で語り掛けます。
「ただひとりとして生きなさい。
何者からも誰からも自由になりなさい」

浮舟は僧都に頼み込んで、
髪を切り出家します。

僧都はその後、女一の宮の御修法で
宮中に参内した際に、中宮に対面し
宇治で女性を助けたことを話します。

中宮の女房・小宰相の君は、薫に
浮舟が生きているかも知れないと伝えます。

薫は僧都に事情を話した後、
浮舟の弟・小君を使って浮舟に文を送ります。

浮舟はこの文は人違いであると言って
返事をしません。

浮舟は薫・匂宮と男女の仲に戻る
気持ちはまったく持っていないのでした。

浮舟は心の中で、以下のように語ります。

いつか男と女の垣根をこえた
御仏の弟子として薫の君に逢いたい
その日こそわたくしたちは夢の浮橋を
わたり、静かに手をとりあうことができるだろう

「あさきゆめみし」新装版 7巻より引用

「あさきゆめみし」は
浮舟が静かな将来への希望を感じる場面で
終わっています。

(手習、夢浮橋)

其の五十三のポイント

・中将が浮舟に熱心に求婚する。
・浮舟、出家する。
・薫、浮舟に文を贈る。
・浮舟、薫を拒絶する。

(源氏物語の該当巻名:「手習」「夢浮橋」)


「あさきゆめみし」完

あさきゆめみしの相関図

其の一~其の二十九(1巻~4巻)相関図

源氏物語第一部に相当する
あさきゆめみし其の一から其の二十九の
相関図はこちらです。

あさきゆめみし相関図 其の1~其の29
新装版 1巻~4巻
あさきゆめみし相関図 其の1~其の29
新装版 1巻~4巻
※タップして拡大します

其の三十~其の四十二(4巻~5巻)相関図

源氏物語第二部に相当する
あさきゆめみし其の三十から其の四十二の
相関図はこちらです。

あさきゆめみし相関図 其の30~其の42
新装版 4巻~5巻
あさきゆめみし相関図 其の30~其の42
新装版 4巻~5巻
※タップして拡大します

其の四十三~其の五十三(6巻~7巻)相関図<宇治十帖>

源氏物語第三部に相当する
あさきゆめみし其の四十三から其の五十三
(宇治十帖)の相関図はこちらです。

あさきゆめみし相関図 宇治十帖(其の43~其の53)
新装版 6巻~7巻
あさきゆめみし相関図 宇治十帖(其の43~其の53)
新装版 6巻~7巻
※タップして拡大します

あさきゆめみし 紫の上の最期の様子

源氏物語 初心者
「あさきゆめみし」で紫の上の最期はどう描かれているの?


紫の上の最期は、
漫画「あさきゆめみし」の
其の四十に描かれています。
(新装版の5巻)

紫の上は37歳の厄年で
重病を経験してから体が弱ってしまっていました。

43歳になる頃には、すっかり痩せて
衰弱してしまっていました。

43歳の夏も過ぎ、秋がきて
朝夕の涼気が身にさわるようになった頃、
紫の上は胸の苦しみを感じて倒れます。

筆者
源氏、明石の中宮と会話をしている時に、体調が急変します。


紫の上は、涙を流しながら
光源氏の顔をしっかりと見つめて
心の中で人生を総括します。

あなたこそがわたくしの人生
わたくしのすべてだったのに…

つぎの世に生まれたら…
わたしはべつの生き方を望むかしら…

それともやっぱり
もう一度
あなたのような人に出会って…
…いつまでも愛されて…

「あさきゆめみし」新装版5巻より引用

紫の上の心の声はそこで途絶え、
命は尽きるのです。

講談社「あさきゆめみし」新装版5巻 第40話より引用
講談社「あさきゆめみし」新装版5巻 第40話より引用


紫の上は、光源氏と養女・明石の中宮に
看取られつつ、43歳という短い生涯を終えました。


源氏物語 初心者
紫の上は、光源氏のことを深く愛していたんだね。


筆者
そうだね。光源氏も紫の上を最愛の妻として愛していたよ。でも一方で、紫の上は、源氏の頻繁な浮気に悩まされていたんだ。


\紫の上の生涯を解説/

一夫多妻制の平安時代の貴族社会において、
女の幸せとは一体どこにあるのか?
紫の上の人生から考えさせられますね。

あさきゆめみし 光源氏は最後どうなるの?

光源氏の最後は、
漫画「あさきゆめみし」の其の四十二に描かれています。
(新装版 第5巻)

最愛の妻・紫の上を亡くして
深く悲しみ、魂が抜けたようになった光源氏は、
追悼の日々を送っていました。

紫の上が亡くなって1年がたち、
源氏は過去の女性たちと
遣り取りした文を燃やして出家を決意するのです。

光源氏の死は、
源氏物語本文では「雲隠」という
中身のない巻名のみで示唆されています。

「あさきゆめみし」では、
その「雲隠」の帖を作者の想像で補っています。

明石の君が、出家した源氏がこもっている
山に美しい紫色の雲がかかっているのを目撃します。

明石の君はその光景から源氏の死を感じ取り、
悲しみで倒れてしまうのでした。

講談社「あさきゆめみし」新装版5巻 第42話より引用
講談社「あさきゆめみし」新装版5巻 第42話より引用

源氏物語 初心者
漫画「あさきゆめみし」は、源氏物語の原作には書かれていない、「光源氏の死」が描かれているんだね。


筆者
原作はあっけない終わり方をしていますが、「あさきゆめみし」はとても感動的な完結となっているよ。


\光源氏のクズエピソード/

この記事では、漫画「あさきゆめみし」の
あらすじを紹介しました。

漫画で「源氏物語」を学んで興味を持ったら、
ぜひ現代語訳にもチャレンジしてみてくださいね。

おすすめの本は、
こちらの記事で詳しく紹介しています😊

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