・源氏物語の主要な登場人物の一覧
・わかりやすい相関図
・光源氏が関係を持った女性の一覧
・人気の登場人物の紹介
この記事では、
源氏物語の登場人物を紹介しています。
ぜひ源氏物語の理解にお役立てください😊
全体のあらすじが知りたい方は、
こちらの記事が参考になるはずです。
源氏物語の登場人物をわかりやすく紹介!(相関図あり)
源氏物語 第一部の登場人物と相関図
美貌と才能に恵まれた貴公子
光源氏が、実母に似た
義母・藤壺の宮に
恋に落ちるところから物語は始まります。
光源氏は、実母の面影を追い
空蝉、夕顔、葵の上、
紫の上、六条御息所など
多くの女性と恋に落ちますが、
ついに藤壺の宮と密通を果たし
子どもが生まれます。
政敵の娘・朧月夜との逢瀬が
バレてしまい、父帝も亡くなり
政局が不利になると、
光源氏は須磨・明石に退去します。
そこで出会った明石の君との間に
娘が誕生します。
光源氏が都から呼び戻されると、
明石の君と娘も都に呼び寄せます。
藤壺の宮との不義の子は冷泉帝となり
娘は東宮妃となり、
光源氏は栄華を極めます。
※二重線は婚姻関係や恋人関係を意味します。
※実線は親子関係や兄弟関係を意味します。
※点線は不倫の関係を表します。
※「桐壺」~「藤裏葉」まで
33帖が第1部です。
空蝉の系図がうまく入らなかったので、
補足しますね。
桐壺帝<桐壺院>(きりつぼてい・きりつぼいん)
光源氏の父親。
桐壺の更衣を溺愛し、
物語の主人公・光源氏が誕生。
桐壺の更衣が亡くなった後は、
顔がそっくりな藤壺の宮を入内させ愛する。
息子・朱雀帝に譲位した後は、桐壺院となる。
自分と藤壺の宮の子が
実は光源氏と藤壺の宮の子であるとは
知らないまま崩御する。
桐壺の更衣(きりつぼのこうい)
光源氏の母親。
故按察大納言の娘で、身分は高くない。
桐壺帝の寵愛を受け、光源氏を出産するが、
周りの女たちの嫉妬を受けて病気となり、
光源氏が3歳の時に亡くなる。
美しく儚い女性だった。
光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。
亡き母にそっくりと言われている
義母・藤壺の宮に恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、
多くの恋愛遍歴をたどる。
妻・紫の上と、
正室・女三の宮は藤壺の姪である。
光源氏は藤壺の宮の血縁者に
強く心を惹かれる人生だった。
⇒光源氏のクズエピソードはこちらで紹介しています。
朱雀帝<朱雀院>(すざくてい・すざくいん)
桐壺帝の息子で、母は弘徽殿女御。
光源氏の異母兄である。
光源氏と朧月夜が恋仲であることを知りながら、
朧月夜を深く愛する。
容姿端麗であり
やさしく穏やかな性格の男性である。
弘徽殿女御(こきでんのにょうご)
桐壺帝の妃であり、朱雀帝の母。
桐壺帝が、第一皇子を産んだ自分よりも
桐壺の更衣を溺愛することに
強く嫉妬して、桐壺をいじめた。
その子の光源氏をも憎んでいる。
光源氏を須磨・明石に追放するよう
計画したのは弘徽殿女御と
その父右大臣である。
藤壺の中宮(ふじつぼのちゅうぐう)
先帝の内親王。
「藤壺の宮」とも呼ばれている。
桐壺の更衣亡き後、
桐壺帝は桐壺の更衣と顔がそっくりな
藤壺の宮を入内させる。
光源氏の初恋の相手である。
光源氏と藤壺の宮は密通を果たし、
不義の子(冷泉帝)が誕生。
源氏との不倫は夫・桐壺帝に知られることなく
冷泉帝は桐壺帝の子として育てられた。
※藤壺の宮は、いわゆる托卵妻である。
桐壺帝が亡くなった後は、出家する。
冷泉帝<冷泉院>(れいぜいてい・れいぜいいん)
表面的には、
桐壺帝と藤壺の宮の子であるが、
実は光源氏と藤壺の宮の子。
藤壺の宮の没後に、出生の秘密を知り、
帝位を源氏に譲ろうとするが断られる。
六条御息所の娘(秋好中宮)、
頭中将の娘(弘徽殿女御)を妃とする。
玉鬘に好意を抱くが妃にはできず、
後に玉鬘の娘(大君)を寵愛する。
頭中将(とうのちゅうじょう)
左大臣家の息子であり、光源氏のいとこ。
葵の上の兄である。
光源氏にとっては親友であり、
恋のライバルでもある。
夕顔との間に娘(玉鬘)をもうける。
葵の上(あおいのうえ)
左大臣家の姫君であり、光源氏の正室。
光源氏とは従姉(いとこ)の関係。
4歳年上で、素直でなく冷たい印象。
夫婦仲は良くなかった。
妊娠すると、夫婦仲は改善の兆を見せるが、
息子・夕霧を出産した後に亡くなってしまう。
この時、葵の上には六条御息所の生霊が
とりついていた。
夕霧(ゆうぎり)
光源氏と葵の上の息子。
幼馴染のいとこ・雲居の雁と恋愛関係になり、
やがて結婚する。
イケメンで真面目。学問の才能も優れている。
左大臣(さだいじん)
頭中将と葵の上の父親。
光源氏の庇護者・味方である。
光源氏が須磨から復帰した後は、
太政大臣となっているが、「薄雲」の巻で死去。
大宮(おおみや)
頭中将と葵の上の母親。
葵の上亡き後は、その息子(夕霧)を育てる。
後に頭中将の娘(雲居の雁)も引き取って育てる。
※夕霧と雲居の雁は恋仲となり、結婚する。
玉鬘の裳着の際には、
頭中将と光源氏を引き合わせる仲介を果たすが
「藤袴」の巻にて
その後間もなく死去したことが語られる。
右大臣(うだいじん)
光源氏の政敵。
娘に弘徽殿女御や朧月夜がいる。
弘徽殿女御と一緒に光源氏の追放を画策する。
「明石」の巻で亡くなる。
六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)
前の東宮妃。
夫の東宮が亡くなった後、光源氏と恋愛関係に。
光源氏より7歳年上。
美しく知性もあるためプライドが高い。
物事を考えこんでしまう気質であり、
ついには葵の上と夕顔に
生霊としてとりついてしまう。
六条御息所と前の東宮のとの間には娘がおり、
のちの秋好中宮である。
秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)
前の東宮(桐壺帝の弟)と六条御息所の娘。
冷泉帝のもとに入内し、中宮となる。
光源氏は秋好中宮に興味は持っていたが、
かつての恋人の娘なので遠慮し、
後見役に徹した。
光源氏に「春と秋どちらが好きか」
と問われて、
「母の亡くなった秋を特別に思う」
と答えたことから、
秋好中宮と呼ばれている。
空蝉(うつせみ)
伊予の介の後妻(再婚相手)。
軒端の荻は義理の娘であるが、同世代。
光源氏とは一度だけ関係を持つが、
人妻の身ゆえに後は拒否し続ける。
やがて夫について京を離れる。
光源氏が寝所に忍び込んだ時に、
着物を一枚残して逃げたので、
「空蝉」(セミの抜け殻)という
名前で呼ばれるようになった。
軒端の荻(のきばのおぎ)
空蝉の義理の娘。
伊予の介と先妻との子ども。
空蝉と勘違いされた結果、
光源氏と一度だけ契る。
その後、軒端の荻は光源氏を慕うが
空蝉を想う光源氏は本気にならなかった。
グラマラスな美人だが、あまり品が良くない。
小君(こぎみ)
空蝉の弟。
空蝉に近づきたい光源氏は、
小君に使い走りをさせ手紙を送る。
長年親しく召し使っていたが、
源氏の須磨退去の際に右大臣家を恐れ、
空蝉について常陸に下る。
源氏が政権に復活した後は、
以前ほどではないが、親しく召し使う。
夕顔(ゆうがお)
頭中将の元恋人であり、玉鬘の母親。
なよなよと儚く可愛らしい印象の女性。
頭中将の正妻からの嫉妬を恐れ、
隠れて住んでいたところ、
興味を持って近づいてきた光源氏と恋に落ちる。
六条御息所の生霊にとりつかれ、命を落とす。
紫の上(むらさきのうえ)
幼い頃は、「若紫」と呼ばれる。
藤壺の宮の姪であり、顔がよく似ている。
光源氏が生涯で最も愛した女性。
光源氏は、紫の上が幼い頃に自宅にひきとり、
育てて結婚した。
正妻ではないが、正妻格として周囲から
扱われている。
源氏の浮気癖に悩み続けた人生だった。
子はできなかったが、光源氏と明石の君の娘
明石の姫君を養育する。
末摘花(すえつむはな)
常陸宮という皇族の一人娘だが、
父親を亡くして非常に困窮している。
容貌は不美人であり、鼻の先が赤いので
末摘花と呼ばれる。
ピュアな心の持ち主で、通わなくなった
光源氏を長年待ち続ける。
その純真さに心打たれた光源氏は
末摘花を二条東院に住まわせ、面倒をみる。
朧月夜
右大臣の6番目の娘。
弘徽殿女御の妹である。
光源氏と恋人関係になった。
恋に奔放な性格の美人。
光源氏からは「軽い女」と思われている。
後に尚侍として朱雀帝に仕え、
寵愛を受ける。
花散里(はなちるさと)
桐壺帝の妃である麗景殿の女御
の妹にあたる姫君。
容貌は美しくないが、慎ましく静かな人。
長く訪れなくても恨みごとを言わない。
光源氏からは大切にされ、
六条院の夏の御殿に住まわせてもらえる。
夕霧と玉鬘の母代わりも務めており
優しく家庭的な女性。
源典侍(げんのないしのすけ)
宮中に仕える女官であり、
年をとっているのに色好み。
恋多き女であった。
源典侍が50代後半の頃、
若き貴公子・光源氏と頭中将は
彼女に興味を持ち関係を持つ。
70歳前後まで長生きした。
明石の君(あかしのきみ)
光源氏が都を追われ、明石に
退去していた際に出逢い、愛人関係となる。
明石の入道の娘。
源氏が帰京してのち明石の姫君を出産する。
プライドが高く、かつ謙虚な性格。
紫の上は明石の君に強い嫉妬を見せるが、
後に対面してお互いの素晴らしさを認め合い
友人関係を築いている。
明石の入道(あかしのにゅうどう)
光源氏の母方の祖父の甥であり、
光源氏の母(桐壺の更衣)とはいとこ関係である。
三位中将という高官であったが、
位を捨てて播磨国の受領となる。
受領も性格に合わず、出家してそのまま明石に住んでいる。
「娘が国母の母になる」という夢のお告げを信じ、
娘・明石の君を大切に育てている。
風変わりで偏屈な性格で周囲からの人望はない。
明石の尼君(あかしのあまぎみ)
中務宮(親王)の孫であり、明石の入道の妻。
教養が高く、娘の明石の君に上流の教育を与えた。
明石の姫君(あかしのひめぎみ)
光源氏と明石の君の娘。
紫の上に引き取られて養育される。
東宮妃として入内し、四男一女を出産する。
夫の東宮が天皇として即位し、中宮となる。
朝顔の姫君(あさがおのひめぎみ)
桃園式部卿宮の娘であり、斎院を務めていた。
光源氏のいとこにあたる。
若い頃から光源氏は朝顔の君に求愛する。
朝顔は光源氏に好意は持ちつづも、拒み続ける。
手紙の遣り取りのみ行うプラトニックな関係。
結果的に、光源氏は、朝顔の姫君との結婚を
諦めている。
玉鬘(たまかずら)
頭中将と夕顔の娘。
「玉鬘」の巻で光源氏の養女となる。
非常に美しい女性で多くの求婚者が出現する。
光源氏が放った蛍の光により、
蛍兵部卿宮が玉鬘の姿を見るシーンは有名。
光源氏も玉鬘を恋慕するが、気持ちを自制する。
最終的には強引な形で髭黒大将の妻となる。
玉鬘の物語が中心となった玉鬘十帖は、
竹取物語(かぐや姫)の影響が強いと言われている。
髭黒の大将(ひげくろのたいしょう)
色黒の髭面であることから、
髭黒の大将と呼ばれる。
玉鬘に恋焦がれ強引に結婚してしまう。
今上帝の伯父にあたる。
最初の妻(北の方)は精神病を患っていた。
髭黒が玉鬘と結婚したことにより
北の方は大いにショックを受け実家に帰ってしまう。
最終的には太政大臣にまで出世する。
蛍兵部卿宮(ほたるひょうぶきょうのみや)
光源氏の異母弟であり、
源氏とは幼い頃から仲が良い。
最初は「帥宮」として登場するが、
藤壺の兄・兵部卿宮が式部卿宮に
なった後をついで兵部卿宮となった。
桐壺帝時代の右大臣の娘と結婚するが死別。
後に玉鬘に求婚する。
風流心のある趣味のよい人物で、
絵合わせや薫物合わせの判者を務めている。
いっぽうでかなりの浮気者で、愛人がたくさんいる。
近江の君(おうみのきみ)
頭中将の娘。
光源氏が美しい玉鬘を引き取ったことを
うらやましく思い、探し出してきた外腹の娘。
(実は玉鬘は頭中将の娘)
早口で教養がなく、笑われ役である。
雲居の雁(くもいのかり)
頭中将の娘であり、夕霧の正室。
夕霧とはいとこ同士で、幼馴染の恋を育んだ。
二人とも大宮に育てられた。
子だくさんであった。
惟光(これみつ)
藤原惟光。光源氏の乳兄弟であり、
光源氏が最も信頼している家来である。
藤典侍(とうのないしのすけ)
惟光の娘であり、夕霧の妾。
五節の舞姫をつとめたところ、
夕霧に見初められ、愛人となり、
数人の子を出産した。
筑紫の五節(ちくしのごせち)
五節の舞姫を務めた際に、
光源氏と恋愛関係になったとされているが、
物語中に、2人のなれそめは語られていない。
光源氏が過去を思い出したり、
文を遣り取りしたりする関係として語られている。
「須磨」の巻では、筑紫から上京する
筑紫の五節が須磨を通りかかり、
光源氏と和歌を遣り取りしている。
中川の女(なかがわのおんな)
光源氏が一度だけ関係を持ったとされる女性。
「花散里」の巻で源氏は
中川の女の邸を再訪するが、
女には既に別の男が通っている様子で、拒絶される。
源氏物語 第二部の登場人物と相関図
準太上天皇という
高い位に昇りつめた光源氏は、
朱雀院の娘・女三の宮を
正妻として迎えます。
しかし、柏木という男が
女三の宮に恋をしてしまい、密通。
女三の宮は柏木との子どもを
出産してしまいます。
さらに光源氏最愛の妻・紫の上は
病気で亡くなってしまい、
光源氏は深い悲しみに包まれます。
最後には光源氏も
亡くなったことが示唆されます。
※「若菜上」~「幻」まで
8帖が第2部です。
光源氏(ひかるげんじ)
准太上天皇となった光源氏は栄華を極める。
朱雀院の娘、女三の宮を正妻とするが、
女三の宮は柏木と密通してしまう。
最愛の妻・紫の上は病気となり、死去。
悲しみにくれる光源氏は、出家を決意。
巻名のみ残されている「雲隠」の巻では、
亡くなったことが示唆される。
紫の上(むらさきのうえ)
光源氏の最愛の妻。
女三の宮が源氏の正妻となることに
ショックを受ける。
胸の病気にかかった上、
六条御息所の怨霊にとりつかれ、
一時絶命するが蘇生。
しかし体調は完全には戻らず、
43歳で亡くなる。
女三の宮(おんなさんのみや)
第二部の重要人物。朱雀院の内親王。
藤壺の中宮の姪であり、紫の上のいとこ。
光源氏の正妻として降嫁するが、
子どもっぽく頼りない性格で源氏を
ガッカリさせる。
柏木と不倫関係になり、息子・薫を出産。
源氏の冷たい態度と罪の意識に耐えられず出家する。
柏木(かしわぎ)
頭中将の長男で、従兄弟の夕霧とは友人である。
血筋の高貴な内親王と結婚したいという
強い理想を持った青年。
女三の宮の姿を垣間見して恋に落ち、
密通の罪を犯す。
女三の宮は柏木の子を出産し、
柏木は罪の意識により病気になり、亡くなる。
夕霧(ゆうぎり)
光源氏と葵の上の息子。
雲居の雁と妾の藤典侍だけしか
妻がいなかったが、柏木の没後、
未亡人の落葉の宮に惹かれ、妻とする。
妻の雲居の雁とは夫婦喧嘩を繰り広げる。
落葉の宮(おちばのみや)
朱雀院の女二の宮で、柏木の正室である。
柏木は、女三の宮に恋慕していたため、
この正室を「落葉のようにつまらない人」と
気に入らなかった。
柏木が没した後は、夕霧の妻となる。
一条御息所(いちじょうのみやすどころ)
朱雀院の更衣であり、
落葉の宮(女二の宮)の母親である。
娘・落葉の宮と夕霧との関係を心配しながら
亡くなった。
雲居の雁(くもいのかり)
頭中将の娘であり、夕霧の正室。
夕霧とはいとこであり、幼馴染で、
二人とも大宮に育てられた。
子だくさんであった。
夕霧が落葉の宮に浮気をした際には
強い嫉妬心を見せている。
藤典侍(とうのないしのすけ)
光源氏の従者・惟光の娘であり、夕霧の妾。
夕霧が落葉の宮に夢中になった際には、
雲居の雁に見舞いの手紙を贈っている。
真木柱(まきばしら)
髭黒の大将と北の方の娘。
蛍兵部卿宮の後妻となり、娘をもうけるが
夫婦仲は良くなかった。
第三部では、
蛍兵部卿宮の没後、紅梅大納言と結婚。
(紅梅は柏木の弟)
夫婦仲は良く、一男をもうける。
源氏物語 第三部の登場人物と相関図
光源氏の没後談であり、
女三の宮と柏木の息子・薫と
光源氏の孫・匂宮がメインとなります。
二人の貴公子が
宇治の姉妹を巡って織りなす
恋物語です。
最終的に二人の間で懊悩する浮舟は、
宇治川に身を投げてしまいます。
浮舟は横川の僧都に助けられますが、
出家して尼となります。
※「匂兵部卿」~「夢浮橋」まで
13帖が第3部です。
薫(かおる)
源氏物語第三部の主人公。
表向きは光源氏と女三の宮の子どもであるが、
本当は柏木と女三の宮の子どもである。
生まれつき体から良い香りを放っており、
「薫の君」と呼ばれている。
薫は俗聖・宇治八の宮の生き方に惹かれ、
宇治に通うようになるが、
やがて八の宮は病死する。
薫は八の宮の娘・大君に心惹かれていくが、
恋は成就しない。
大君の死後には、
大君によく似た浮舟に思いを寄せるが、
浮舟は匂宮と深い関係になった後に失踪する。
匂宮(におうのみや)
今上帝と明石の中宮の御子。
六条院で一緒に育った薫に、ライバル心を抱いている。
容貌は美しいが軽薄で女好き。
薫の戦略で中の君と結婚するが、
浮舟にも心を惹かれ、深い関係になる。
大君(おおいきみ)
宇治八の宮の長女。
思慮深くプライドの高い女性であり、
薫からの求愛を拒み続ける。
妹・中の君と匂宮が結婚した後、
匂宮の中の君への通いが途絶えたことに悩んだ末、
病気で亡くなってしまう。
中の君(なかのきみ)
宇治八の宮の次女。
可愛らしいイメージの女性である。
匂宮と結婚して、後に男子を出産する。
浮舟(うきふね)
宇治八の宮の姉妹(大君・中の君)の
異母妹。大君によく似ている。
薫と匂宮の二人から愛され、
悩んだ末に宇治川に身を投げる。
横川の僧都に助けられ、出家する。
宇治八の宮(うじはちのみや)
桐壺帝の第八皇子であり、
光源氏の異母弟である。
高貴な身分であるが、頼れる後見人がおらず、
宇治の山荘でひっそりと生活していた。
仏道に通じており、出生に悩む薫と交流を持つ。
六の君(ろくのきみ)
夕霧の六女であり、母親は側室:藤典侍。
美しく気立ても良いが、母親の身分が低いのを
夕霧は残念に思い、落葉の宮の養女とした。
匂宮の正妻となる。
匂宮は最初は六の君との結婚に
乗り気ではなかったが
会ってみるとタイプだったようで、気に入っている。
紅梅大納言(こうばいだいなごん)
故致仕大臣(頭中将)の次男であり、
按察使大納言を務めている。
亡くなった妻との間に2人の娘がいる。
(大君・中君)
※宇治の姉妹とは別人。
第3部時点での妻は真木柱である。
真木柱には前の夫(蛍兵部卿宮)との間に
娘がいる(宮の御方)。
紅梅大納言は大君は東宮に入内させ、
中君と匂宮を結婚させたいと願うが、
匂宮は宮の御方に興味を持つ。
玉鬘(たまかずら)
第3部での玉鬘は、
夫(髭黒)を亡くし未亡人となっている。
2人の姫君(大君、中君)の縁談に頭を悩ませる。
※宇治の姉妹とは別人。
大君は冷泉院に参院し、
中君は今上帝の尚侍として出仕する。
大君は冷泉院から寵愛を受け、
一男一女をもうけるが、
他の妃たちに嫉妬され里下がりが多くなる。
中君は尚侍として気楽な宮仕えを楽しむ。
女二の宮(おんなにのみや)
今上の内親王であり、母は藤壺女御。
※桐壺帝の藤壺の宮、女三の宮の母
とは別人であることに注意。
母藤壺女御は今上帝から寵愛を得ており、
女二の宮も帝から可愛がられていたが、
着裳の儀式の前にして母藤壺女御が死去。
しっかりした後見役のいない女二の宮を
心配した今上帝は、女二の宮を薫に降嫁させる。
女一の宮(おんないちのみや)
今上帝の内親王であり、母は明石の中宮。
上品で気高く、美しい姫宮であり、
薫にとっては憧れの存在である。
明石の中宮や宇治の中の君に接した際は
「女一の宮もこんなふうだろうか」と想像している。
※冷泉院の皇女にも、女一の宮がいるので注意。
以上、簡単に源氏物語の登場人物を
紹介してきました。
相関図つきの源氏物語の
参考書としては、こちらがおすすめ!
各巻ごとに人間関係の相関図や
年齢などがまとめられているので、
源氏物語の副読本として最適です😊
源氏物語の主人公は2人!途中で主人公が変わる
源氏物語は、途中で主人公が変わります。
源氏物語のパート | 主人公 |
---|---|
第一部&第二部 | 光源氏 |
第三部 | 薫 |
第一部&第二部は、
光源氏の恋愛遍歴と栄華の完成、
そして裏切りと命の終焉を描いています。
第三部は光源氏の没後のお話。
源氏の息子・薫をメインとしています。
光源氏の孫の匂宮とともに
宇治三姉妹を巡って恋物語を繰り広げます。
源氏物語で人気の登場人物は誰?
源氏物語は光源氏という貴公子が主役の
物語ですが、女性たちに人気が集中します。
源氏物語に出てくる女性たちは、
みなそれぞれ個性がハッキリしているから、
読んでいる人も好き嫌いが出やすいんですよね。
特に人気のある登場人物を
2人紹介いたします。
紫の上
紫の上は、
光源氏が生涯で最も愛した女性です。
源氏の理想の女性・藤壺中宮に似ており、
幼い頃に彼に引き取られて養育されます。
光源氏に深く愛されながらも、
その浮気な心に悩まされる紫の上に
共感する人が多いです。
『源氏物語』紫の上に子どもは産まれませんでした。さらに出家することも許されない身でした。源氏に翻弄された生涯でした。
— むらさき (@ukifune0825) August 17, 2021
浮舟も好きですが、意思ある女性として紫の上も好きです。
紫の上はその容姿を桜に例えられるほど、
可愛らしく美しい女性でした。
そして春を愛する女性でした。
美しく明るい、桜色のイメージの
紫の上に惹かれてしまいますね。
朧月夜
筆者が学生時代、朧月夜が好きという
友人が多かったですし、
SNSでも朧月夜好きは多いです。
朧月夜は自由奔放な女性で、
朱雀帝のもとに入内が決まっているのに
光源氏と関係を持ってしまうのです。
さらに尚侍という女官として
朱雀帝から寵愛されながらも、
光源氏と逢瀬を継続します。
源氏物語の
— ℳ𝒶𝓈𝒶𝓀ℴ🥀🥀 (@Twinray831) March 22, 2023
魅力的な女人達には
その方の方向性があって…
誰推しかどうかで自分の傾向が
わかるのかも♡
私は情熱的でバーン❤️🔥とした
朧月夜が好きなの(*∩´꒳`∩*)
憧れの輝く日の宮
直向きな紫の上
誇り高き六条の御息所
名門のご令嬢、葵の上
聡明な明石の上
貴女は誰が好き?#ツインレイ pic.twitter.com/qlMAOos62f
慎み深いイメージの平安時代の姫とは
真逆の朧月夜。
朧月夜の奔放っぷりは、とても現代的なので、
その気質に共感する女性は多いです。
朧月夜の君については、
こちらの記事で詳しく解説しました。
六条御息所
筆者は学生時代、
六条御息所が一番好きでした。
SNSを見ても、
六条御息所好きってけっこう多いです。
誰が好き?って聞かれたらもちろん六条の御息所ですよ。#あさきゆめみし#源氏物語 pic.twitter.com/AyGwjz2wfJ
— 0013 (@0013_1300) February 3, 2023
上品で教養があり、プライドも高い
六条御息所は、
その気位の高さゆえに光源氏に素直な
態度がとれません。
嫉妬心が強くて、
夕顔と葵の上に生霊として
とりついてしまいます…。
物事を想い詰めるところや、
嫉妬心の強さなど、
現代の女性にも共感できる要素が
たっぷりの六条御息所は、
とても魅力的です。
その他、魅力的な女君
他にも人気のある女君はたくさんいます。
- 藤壺中宮
- 空蝉
- 夕顔
- 葵の上
- 明石の上
- 花散里
- 末摘花
- 朝顔
- 玉鬘
- 女三の宮
などなど。
魅力的な姫君が何人も登場します。
源氏物語の中でどの女君が好きか?
考えることでご自身の人間性や
価値観などを理解することにもつながりますね。
好きな女君が変わることもあるんですよ。
筆者は若い頃は六条御息所が大好きでしたが、
今は浮舟に同情するし、紫の上にも魅力を感じます。
ぜひ好きな女君について、
お友達と語り合ってみてください。
お友達の意外な価値観がわかるかも知れません。
瀬戸内寂聴氏は、
「源氏物語の女君」という本の中で
源氏物語の代表的な女君について
読みやすく解説しています。
桐壺更衣や紫の上、夕顔など
人気な女君の生涯がよく分かります。
わかりやすい源氏物語の現代語訳は
こちらの記事で紹介しています。
まだチャレンジしたことのない方は、
ぜひ源氏物語を現代語訳で読んでみてくださいね✨
漫画「あさきゆめみし」は
もう読まれましたか?
「源氏物語」のストーリーが
漫画で気軽に楽しめます。
光源氏が関係を持った女性一覧
光源氏が一度でも関係を持ったことのある
女君の人数は13人です。
女君の名前は以下の通り。
- 藤壺中宮
- 葵の上
- 六条御息所
- 空蝉
- 軒端の荻
- 夕顔
- 朧月夜
- 紫の上
- 末摘花
- 花散里
- 明石の君
- 源典侍
- 女三の宮
過去の女として回想シーンだけの
女君は2人です。
- 中川の女
- 筑紫の五節
恋心を抱いただけの
相手は3人です。
- 朝顔
- 玉鬘
- 秋好中宮
朝顔の姫君は、
光源氏からの求愛を拒み続けます。
玉鬘と秋好中宮は
光源氏の元恋人の娘なので
さすがの源氏も遠慮したのですね。
よくある質問
光源氏のライバルは誰ですか?
光源氏のライバルは、頭中将です。
頭中将は光源氏の年上の従兄(いとこ)です。
光源氏の最初の正妻・葵の上の兄なので、
光源氏にとっては義兄でもあります。
若い時期には女性を巡って
恋のライバル関係でした。
例えば「末摘花」の巻では、
二人が競って末摘花に逢瀬を果たそうとします。
光源氏が関係を持った女性の人数は何人?
光源氏が一度でも関係を持った女性の
人数は、13人です。
光源氏の兄は誰ですか?
光源氏の兄は朱雀帝(朱雀院)です。
3歳年上の異母兄で、
母親は弘徽殿女御です。
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この記事では、
源氏物語の登場人物を
相関図つきでわかりやすく紹介しました!
源氏物語を学ぶ中で
登場人物の関係性が
わからなくなってしまったら、
この記事を参考にしてくださいね。